2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規絨毛癌抑制遺伝子と考えられるOS-4類似遺伝子及びホメオ蛋白類似遺伝子の解析
Project/Area Number |
13671728
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 貴雄 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10304825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
有馬 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
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Keywords | 絨毛癌 / 共通欠失領域 / サブトラクション / HTF12 / 合胞体化 / NECC1 / ホメオボックス / HOP |
Research Abstract |
1)絨毛癌の7q11.21の共通欠失領域に存在する遺伝子のうち、6-8クローンがドラフトシークエンスで発表された配列に含まれる。これはhuman teratocarcinoma finger(HTF)12遺伝子でKRABドメインを有するZnフィンガードメインを有する遺伝子であることがわかった。HTF12遺伝子を全長ベクタープラスミドにつないで、絨毛癌細胞株導入した。さらに導入により、胞体の巨大化が生じて細胞増殖能が低下した。絨毛癌細胞の細胞増殖速度は細胞密度によって異なるが、細胞の接着能はあまり変化しなかりた。細胞密度の低い状態で、増殖速度が低下し、分化の方向へ進むと考えられるが、導入細胞では細胞融合が始まる。HTF12細胞はプロモーターの違いによって、3種類のスプライシング変異(HTF12-1、2,3が生じる。いずれの導入によっても、細胞増殖が抑制された。今回導入に用いたのはHTF12-2であった。正常胎盤絨毛で、発現しているのは、HTF12-1で、それぞれZnフィンガードメインのドメインの数の違いに基づくものであった。このため、5'側に存在するKRAVドメインが細胞融合、増殖抑制に関与すると推定された。ホモロジー解析で、多くの類似遺伝子が存在することがわかった。特に19番遺伝子上のZF1遺伝子と80%のホモロジーを有するがZF1は胎盤でも絨毛癌でも発現が認められ、その働きの違いが注目される。 2)サブトラクション法で得られたNECC-1はヒトの歯肉ライブラリーより得られる遺伝子で、細胞の多核化に寄与する遺伝子と考えられ、絨毛細胞の合法体化に関与すると考えれた。絨毛細胞が合胞体細胞になった際に、HPL、CSHなどのマーカーが上昇するが、同様のマーカーが上昇するのが、組織化学的に証明され、合胞体化と同様の機序で生じていることが推定された。この蛋白はわずか13KDaの大きさである。このNECC1はマウスの発生の際に必要とされるホメオボックスのみの遺伝子HOPと同一でaltevnative splicingによって各種のサイズがあり、異なるプロモーター解析によって制御されていることがわかった。。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kato H et al.: "Growth-associated Gene Expression Profiles by Microarray Analysis of Trophoblast of Molar Pregnancies and Normal Villi"International Journal of Gynecological Pathology. 21,3. 255-260 (2002)
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[Publications] Asanoma K et al.: "NECC1, a candidate choriocarcinoma suppressor gene which encodes homeodomain consensus motif"Genomics. (in press).
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[Publications] 浅野間和夫 他: "新女性医学大系(中山書店)41"絨毛癌の分子機構. 468 (2002)