2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胚由来の血小板活性化因子による子宮内膜および脱落膜の接着因子発現調節
Project/Area Number |
13671732
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Research Institution | OITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
楢原 久司 大分大学, 医学部, 助教授 (60211447)
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Keywords | 子宮内膜 / 接着因子 / 血小板活性化因子 / ケモカイン |
Research Abstract |
ヒト胚の子宮内膜への接着および侵入に際し、子宮内膜および脱落膜おいて、胚由来のPAFがいかなる細胞間相互作用に関わっているかを明らかにすることを目的として研究を計画した。平成15年度は、平成14年度に引き続き、子宮内膜腺細胞、間質細胞、および、脱落膜の培養系において、PAFによる各種サイトカイン、特にケモカイン産生、接着因子としてのインテグリン、フィブロネクチンの発現を検討した。 子宮内膜腺細胞、間質細胞、および、脱落膜細胞の培養系にPAF、lyso-PAF、Y-24180、CV2086を濃度的、時間的変化を加えて添加し、インテグリン、フィブロネクチンの発現量を抗インテグリンα_1、α_3、α_v、またはβ_1抗体、抗フィブロネクチン抗体を用いて免疫組織学的に半定量した。また、培養上清中のIL-8、MCP-1、GRO-αをELISAを用いて定量した。 PAFは、インテグリンα_vの産生を濃度依存性に誘導した。このPAFの効果は、PAF受容体拮抗剤であるY-24180、CV2086により遮断された。フィブロネクチンの発現量においては、PAFによる影響は認められなかった。また、PAFは、培養上清中のIL-8、MCP-1、GRO-αを濃度依存性に増加させた。これらのケモカインのPAFによる産生刺激作用はPAF受容体拮抗剤であるY-24180、CV2086により遮断された。Lyso-PAFには、PAFと異なり、これらの作用は認められなかった。
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