2002 Fiscal Year Annual Research Report
不育症における自己抗体を介したカリクレイン-キニン系の破綻に関する研究
Project/Area Number |
13671748
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
杉 俊隆 東海大学, 医学部, 講師 (70196707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 能安 東海大学, 医学部, 助手 (50307287)
勝沼 潤子 東海大学, 医学部, 助手 (20276843)
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Keywords | 抗リン脂質抗体 / キニノーゲン / 習慣流産 / 第12因子 / カリクレイン-キニン系 / フォスファチジルエタノールアミン |
Research Abstract |
最近第XII因子欠乏と反復流産、血栓症との関係が注目されている。第XII因子はキニノーゲン、プレカリクレインと同様、カリクレイン-キニン系の蛋白であり、utero-placental unitに存在して血液凝固線溶系や妊娠維持に重要な役割を果たしていることが最近になって明らかになってきた。我々は既に、不育症患者において第XII因子欠乏症が高頻度に存在する事、さらには不育症患者における第XII因子に対する自己抗体の存在を報告した。今回我々は、不育症患者について第XII因子に対する自己抗体の陽性頻度を検討した。当院不育症外来の患者に対して、インフォームドコンセントのもとで第XII因子の活性を第XII因子欠損患者血漿を用いたaPTTにより測定した。さらに、既に確立したELISAにより患者血清中の抗第XII因子抗体を測定した。第XII因子欠乏不育症患者43人中、23人(53.5%)が抗第XII因子抗体陽性(P<0.001、オッズ比36.8)、第XII因子活性正常不育症患者40人中では、10人(25.0%)が陽性であり(P=0.02、オッズ比10.7)、それぞれ正常対照群(33人中1人陽性)と比較して統計学的に有意に頻度が高かった。また、不育症患者において抗第XII因子抗体の存在と第XII因子欠乏の関係は、統計学的に有意であった(P=0.008、オッズ比3.45)。興味深い事に、多くの抗第XII因子抗体はintactの第XII因子ではなく、活性化第XII因子を認識した。以上の結果より、第XII因子に対する自己抗体が不育症患者の第XII活性を低下させており、不育症のrisk factorである可能性が示唆された。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] Sugi T, Makino T: "Autoantobodies to contact proteins in patients with recurrent pregnancy losses"J Reprod Immunol. 53. 269-277 (2002)
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[Publications] 杉 俊隆, 牧野恒久: "流産と自己抗体"臨床免疫. 37. 433-438 (2002)
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[Publications] 杉 俊隆, 牧野恒久: "レーザー散乱粒子計測法を用いた血小板機能の評価-抗リン脂質抗体との関連性"産婦人科の世界. 54. 173-179 (2002)
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[Publications] Sugi T, Makino T: "Antiphospholipid antibodies and kininogens in pathologic pregnancies : a review"Am J Reprod Immunol. 47. 283-288 (2002)
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[Publications] 菊池公孝, 村野孝代, 内田能安, 林田研一, 杉 俊隆, 森 晃, 岩崎克彦, 牧野恒久: "合併症妊娠における人工妊娠中絶"日産婦神奈川会誌. 38. 142-146 (2002)
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[Publications] 近藤朱音, 松林秀彦, 杉 俊隆, 新井正, 鈴木隆弘, 和泉俊一郎, 牧野恒久: "IVF-ET 反復不成功患者と反復流産患者における抗リン脂質抗体の特異性の相違"日本受精着床学会雑誌. 19. 1-4 (2002)
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[Publications] 牧野恒久, 杉 俊隆: "カレントヴュー、抗リン脂質抗体症候群"日産婦誌. 54. 1200-1209 (2002)
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[Publications] 廬 丹, 杉 俊隆, 井面昭文, 内田能安, 勝沼潤子, 岩崎克彦, 牧野恒久: "第XII因子活性低下不育患者における第XII因子に対する自己抗体の検討"日本産婦人科,新生児血液学会誌. 12. S33-S34 (2002)
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[Publications] Katsunuma J, Sugi T, Inomo A, Matsubayashi H, Izumi S, Makino T: "Kininogen domain 3 contains regions recognized by antiphosphatidylethanolamine antibodies"J Thromb Haemost. 1. 132-138 (2003)
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[Publications] 杉 俊隆: "EBM血液疾患の治療2003-2004"中外医学社. 739 (2002)
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[Publications] 杉 俊隆: "今日の治療指針 2003年度版"医学書院. 1605 (2003)