2002 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌の浸潤・転移に関与するezrinの作用におけるRhoシグナル伝達系の解析
Project/Area Number |
13671753
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高見 毅司 日本大学, 医学部, 助手 (90297812)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 秀樹 日本大学, 医学部, 助教授 (80158922)
|
Keywords | ezrin / 卵巣癌 / 浸潤 |
Research Abstract |
Actin filamentをCD44などの細胞接着因子へ繋ぐERM familyのうち、ezrinが癌細胞の浸潤と接着・転移に関与することを検討してきた。現在は卵巣癌におけるezrinの意義に注目した。最近の報告では、更年期婦人におけるホルモン補充療法が卵巣癌のリスクを増加させるとされ、従来からの概念を大きく変えるものとなっている。しかし何故ホルモン補充療法とくにestrogenが卵巣癌のリスクを増加させるか明らかではない。そこでEzrinの発現に関する調節因子としてのestradiolの役割を検討した。SKOV3およびDOV13細胞株を用いて検討をおこなった。SKOV3はestrogen receptor(ER)α>βの株である。一方DOV13はERα<βの株であり、2つの受容体の作用を解析できるものである。Estradiolで処理された細胞をmatrigel貫通アッセイにて検討した結果、ezrinは細胞質から細胞膜へtranslocationした。matrigel貫通アッセイの結果はSKOV3:33±0.8,68±2.6,29±1.2ならびに34±1.7%・(mean±SD, control, estradiol,estradiol+raloxifene, estradiol+tamoxifen),DOV13細胞も同様の変化を示し、ezrinの発現とmatrigelの貫通度には強い正の相関が見られた。さらにこの浸潤傾向はtamoxifenならびにraloxifeneにより抑制され、ERの関与が示唆された。
|