2002 Fiscal Year Annual Research Report
HGFアンタゴニスト(HGF/NK4)を用いた卵巣癌遺伝子治療への戦略
Project/Area Number |
13671754
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Research Institution | NIPPON MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
米山 剛一 日本医科大学, 医学部, 講師 (90220772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒瀬 圭輔 日本医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | 卵巣癌 / HGF |
Research Abstract |
近年、種々の癌細胞の浸潤、転移と血管新生の関係が着目されている。 肝細胞増殖因子(HGF : hepatocyte growth factor)は主として腫瘍を構成する間質細胞から分泌され、腫瘍細胞の増殖、浸潤、血管新生を促進することが明らかとなっている。 今回、卵巣癌とHGFの関係の有無、およびそれらが実際の臨床にどのように反映されるかを研究するために血中HGF濃度に注目し、以下の検討を行った。すなわち、インフォームドコンセントが得られた卵巣癌症例13例、良性卵巣腫瘍8例、健常人10例の血中HGF濃度をELISA法にて測定した。その結果、卵巣癌症例の血中HGF濃度は0.59±0.38、良性卵巣腫瘍の血中HGF濃度は0.39±0.17、健常人の血中HGF濃度は0.32±0.06であった。これらの結果を解析すると卵巣癌症例の血中HGF濃度は健常人の血中HGF濃度に比し有意に(p=0.002)高値であることが判明した。他方、良性卵巣腫瘍の血中HGF濃度は健常人の血中HGF濃度に比し有意差は認められなかった(p=0.25)。 これらの結果から、血中HGF濃度は卵巣癌をスクリーニングする上で有用な腫瘍マーカーとなりうると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 米山剛一, 沖野恵子, 土居大祐, 荒木勤: "婦人科悪性腫瘍術後の血栓症発症因子に関する臨床的検討"産婦人科の実際. 52(印刷中). (2003)
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[Publications] 沖野恵子, 永井尚生, 八田充子, 米山剛一, 他: "子宮頸部癌の体系的遺伝子発現解析"日本産科婦人科学会雑誌. 55・2. 181 (2003)
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[Publications] Yoneyama K, Okino K, Doi D, et al.: "Risk factors of postoperative thromboembolism in gynecologic oncology patients"XIIth International Vascular Biology Meeting Abstract Book. 168 (2002)
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[Publications] 小西英喜, 磯崎太一, 大坪保雄, 他: "卵巣漿液性嚢胞腺癌に対するFirst line /Second lineとしてのT-J biweekly療法"日本婦人科腫瘍学会雑誌. 21・1. 1-9 (2003)
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[Publications] Mine N, Kurose K, Nagai H et al.: "Gene fusion involving HMGIC is a frequent aberration in uterine leiomyomas"J Hum Genet. 46. 408-412 (2001)
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[Publications] 米山剛一, 沖野恵子, 浜村幸恵, 他: "婦人科腫瘍術後の血栓塞栓症に関する臨床的検討"日産婦新生児血会誌. 11・1. 62-63 (2001)