2002 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭機能障害に対する新治療法の検討-機能的電気刺激を用いた機能回復の試み-
Project/Area Number |
13671763
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
野中 聡 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (50180758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片田 彰博 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90281899)
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Keywords | 反回神経麻痺 / 機能的電気刺激 / 内喉頭筋萎縮 / ラット / 組織学的検討 |
Research Abstract |
喉頭機能障害は様々な原因で引き起こされ、特に神経障害に基づく機能低下は高齢者に多い。近年、微小電気刺激によって麻痺筋を収縮させ、失われた機能を再現する機能的電気刺激(functional electrical stimulation : FES)が注目されている。本研究では中枢、末梢神経障害を原因として引き起こされた種々の喉頭機能障害を運動補助FESを用いて機能再建することを目指し、その遂行に必要な基礎的実験成績を主に動物実験により収集した。平成13年度は除脳ネコを用い、内喉頭筋への微小電気刺激の最適な刺激条件を決定し、微小電気刺激を用いて吸気運動あるいは発声運動の再現を試みた。その結果、除脳ネコではこれらの運動の再現が可能であることが明らかとなった。平成14年度はこれらの喉頭運動を誘発する微小電気刺激が内喉頭筋の神経切断に伴う筋萎縮に対してどの様な影響を与えるか解析した。電気刺激を継続的に内喉頭筋に加え反回神経麻痺側の内喉頭筋の萎縮変性を防止する作用を確認する検討では組織標本を多く用いる必要があり、形態学的研究において従来より幅広く使用されてきたラットを用いた。具体的には反回神経を切断したラットの内喉頭筋に微小電気刺激を加え続けることで、内喉頭筋の萎縮変性に対して変化が現れないか組織学的手法を用いて解析し、電気刺激が形態学的変化を誘発するか否かを解析した。そして、機能的電気刺激を加えた群では神経切断後2週間目までは非刺激群と同様に萎縮性変化が内喉頭筋に認められたが、その後刺激群では有意に切断側の筋断面積、筋繊維断面積、筋線維密度が改善し、健常側と同様の値になることが明らかとなった。
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