2001 Fiscal Year Annual Research Report
内リンパ水腫形成におけるバゾプレッシンの役割に関する研究
Project/Area Number |
13671784
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
竹田 泰三 高知医科大学, 医学部, 教授 (50115763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿木 章伸 高知医科大学, 医学部, 助手 (60243820)
岡田 暉彦 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00025628)
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Keywords | 内リンパ水腫 / バソプレッシン / V_2アンタゴニスト / アクワポリン2 / メニエール病 / OPC-31260 |
Research Abstract |
前庭眼反射計測実験:モルモットの振子様回転中の前庭眼反射を記録するシステムを開発した。そのシステムの要約は、1)眼球の動きを赤外線カメラによってビデオ記録する。2)録画された眼球の瞳孔を楕円近似法によりコンピュータ解析し、眼球の回転角度および回転速度を検出する。3)得られた眼球回転速度より緩徐相と急速相を判別する。4)眼振緩徐相速度とターンテーブルの回転角速度よりVORゲインを計測、グラフ化する。開発したこのシステムを使ってモルモットの振子様回転中の前庭眼反射の記録を試みた。その結果、以下の点を留意すればモルモットの前庭眼反射は容易に分析可能であることが判明した。すなわち、瞳孔を赤外線カメラによって正確に識別するには、有色モルモットを用いる必要があること、瞬きのアーチファクトを避けるためには顔面神経ブロックを行って瞬目反射を抑止する必要があることの2点であった。 V_2-アンタゴニスト負荷実験:内リンパ嚢を電気的に焼灼して作成した実験的内リンパ水腫の鼓室階にV_2-アンタゴニスト(OPC-31260)または生理食塩水を浸透圧ミニポンプで投与して内リンパ腔の容積変化を比較検討した。形態的には、生理食塩水の鼓室階投与では著明な内リンパ水腫が観察されるが、OPC-31260の負荷動物ではライスネル膜は著明に進展しているが、内リンパ腔は虚脱を示した。定量解析でも、ライスネル膜の進展度は両者間に差はないが、内リンパ腔容積はV_2-アンタゴニストで有意に減少していた。 Aquaporin2(AQP2)mRNAの定量解析:蝸牛と内リンパ嚢のAQP2 mRNAの発現量をバソプレッシン負荷前後でReal-time RT-PCR法によって比較した。AQP2のmRNAは蝸牛、内リンパ嚢とも発現し、バソプレッシン負荷によってその発現量は増加した。
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