2001 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌における新規セリンプロテアーゼインヒビター;headpinの生物学的役割-その遺伝子治療への応用に関する研究-
Project/Area Number |
13671786
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 寅彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00284505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安松 隆治 九州大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床) (00444787)
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Keywords | serpin / headpin / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
headpinはdifferentialdisplay法を用いてわれわれがクローニングした新しいセリンプロテアーゼインヒビター:serpinである。headpin遺伝子が存在する染色体18q21には同じserpin familyに属するmaspin, Squamous Cell Carcinoma Antigen(SCCA)の遺伝子座が存在する。頭頸部扁平上皮癌において正常上皮に比し、maspin、SCCAの発現も抑制されていることを報告した。海外共同研究者のもとで、抗headpinモノクローナル抗体が作製され、われわれは頭頸部扁平上皮癌組織におけるheadpinタンパクの発現パターンを解析した。mRNA同様、タンパクレベルで癌組織内の発現の低下を認めた。headpinタンパクの生理的ターゲットとなるプロテアーゼはまだ同定されていない。headpin発現の癌細胞に対する影響を調べる目的にheadpin cDNAを頭頸部扁平上皮癌由来の培養細胞株に導入し(stable transfection)、その表現型の変化を解析した。headpin発現株はベクターコントロール株に比し、in vitro細胞増殖能に変化はみられなかった。しかし、matrigel1を用いた浸潤能の解析では、headpin導入株はコントロールに比し浸潤能が抑制されていた(P<0.05)。現在nude miceの口腔底モデルを用いてheadpin導入株のin vivoにおける浸潤能について実験をおこなっている。また、購入したエレクトロポレーター(遺伝子導入装置)により、headpin cDNAをnude miceに移植した腫瘍に導入し、headpinを標的とした遺伝子治療をすすめている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasumatsu R., Nakashima T.et al.: "Maspin expression in stage I and II oral tongue squamous cell carcinoma"Head and Neck. 11. 962-966 (2001)
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[Publications] Yasumatsu R., Nakashima T.et al.: "SCCA1 expression in T-lyrnphocytes peripheral to cancer cells is associated with the elevation of serum SCC antigen in squamous cell carcinoma of the tongue"Cancer Letters. 167. 205-213 (2001)
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[Publications] Nakashima T et al.: "All-trans retinoic acid enhances the effect of adeno-virus mediated wild-type p53 gene transfer in head and neck squamous cell carcinoma"Laryngoscope. 111. 1459-1464 (2001)