2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671837
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 仁 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40104236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯 博行 大阪大学, 兵庫医科大学・医学部, 助教授 (80068585)
井上 徹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60263282)
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Keywords | 先行刺激抑制効果 / α-クロラロース / 驚愕反応 / 視覚機能評価 / 動き刺激 / 視覚刺激 / 驚愕刺激 / 白色雑音 |
Research Abstract |
α-クロラロース麻酔下のラットを用い、視覚刺激に対する先行刺激抑制効果について調べた。自由行動下のラットでは、突然の強い音刺激に対する驚愕反応が、弱い光刺激を先行提示することにより抑制される(先行刺激抑制効果)。私達はこの現象を用いて、動物の視覚機能を行動学的に評価できることを報告してきた。しかしながら、自由行動下の動物に動き刺激を提示することには多くの困難を伴なう。一方、α-クロラロース麻酔下では、音刺激に対して著明な驚愕反応が引き起こされることが知られており、したがって、もし、麻酔下で動物の視野を固定した状態で、先行刺激抑制効果が得られるならば、動き刺激を先行刺激として用いることにより、動物が動き刺激を検出できるかどうかをテストできる。その前段階として、今回は、α-クロラロース麻酔下での先行刺激抑制効果ついて検討した。今回は、先行刺激として白色LED(2300lx,20ms)、驚愕刺激として白色雑音(104dB SPL,50ms)を用い、まず、自由行動下のラットで驚愕反応を加速度センサーによって記録した結果、刺激間間隔(ISI)が40-80msで、驚愕反応の抑制が認められ、最大の抑制(38.1%)はISIが60msの時に得られた。同じ動物のα-クロラロース麻酔下ではISIが50-200msで抑制が認められ、最大の抑制(72.2%)は70msで得られた。以上の結果から、α-クロラロース麻酔下では、自由行動下に比べ抑制の程度は少ないものの、ほぼ同様の先行刺激抑制効果が得られることを示しており、今後、様々な視覚刺激を用いた視覚機能評価のために有用な実験系であることが示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Sasaki, H: "Effects of shock sensitization and fear conditioning on startle response in hamsters"Japanese Journal of Physiology. 51. S268 (2001)
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[Publications] 佐々木仁, 福田淳: "α-クロラロース麻酔下におけるラットの先行刺激抑制効果"第24回日本神経科学、第44回日本神経化学合同大会抄録集. 296 (2001)
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[Publications] 佐々木仁: "ハムスターの恐怖条件づけによる驚愕反射の増強効果"生理心理と精神生理学. 19. 129 (2001)
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[Publications] 佐々木 仁: "色が生体に及ぼす影響と効果"AFTジャーナル. 17. 2-3 (2001)
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[Publications] 佐々木 仁: "再生視神経投射の行動学的視覚機能解析"Molecular Medicine. 39別冊. 199-208 (2002)
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[Publications] Goto, K., Ueki, A., Iso, H., Morita, Y: "Reduced prepulse inhibition in rats with entorhinal cortex lesions"Behavioural Brain Reserch. (in press). (2002)
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[Publications] 磯 博行, 佐々木 仁他: "心理学実験ノート"心理学実験ノート編纂委員会(編)二弊社. 191 (2001)