2001 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期眼組織および損傷角膜におけるEpimorphinの発現動態と役割について
Project/Area Number |
13671855
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
石崎 正通 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40096954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 泰弘 熊本大学, 医学部, 助手 (50332870)
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Keywords | Epimorphin / 胎生期眼組織 / 角膜 / 損傷治癒 / 蛍光抗体法 |
Research Abstract |
本研究は、マウスの眼発生各期におけるEpimorphinの発現動態および角膜の損傷治癒過程におけるEpimorphin役割について、形態的、分子病理学的に解明することを目的としている。 本研究のための研究補助金は平成13年12月に追加交付を受けたもので、時間的制約のため、本年度は、本格的に研究を行う来年度の準備として、以下のことを施行した。 (1)マウスの胎生期より成獣に至るまでの各期の眼組織を採取し形態研究、分子生物学用の試料作成を行った。 (2)マウスの角膜にアルカリ処理による損傷を惹起させ各ステージの角膜を採取しそれぞれの目的に従った試料作成を行った。 (3)(1)、(2)で採取した組織の一般形態学的および免疫組織学的検索を行った。 結果:発生期の眼組織では発生の初期より角膜,強膜の実質の繊維芽細胞および周囲の細胞外基質にEpimorphinの存在が確認された。発生の後期から成獣においては角膜の上皮内にも存在が共焦点レーザー顕微鏡で確認された。また角膜基底細胞の基底膜面にケラチンと共存している所見も得られた。 損傷角膜においては病理形態学的な検討を行っている。 以上の結果より、Epimorphinは眼の発生の初期より発現し、上皮の形成に働くという既知の機能が角膜でも働いていることが示唆された。発生が進むに従い角膜実質のType I型コラーゲンの増加に伴い免疫組織学的にEpimorphinに対する蛍光強度が強くなり、共存が示唆された。またEpimorphinはその存在状態により細胞外基質一員である可能性があると考えられた。強膜の様な上皮の無い組織にも確認されたことはEpimorphinの未知の役割が存在する可能性が考えられた。共焦点レーザー顕微鏡でケラチンと共存している所見が得られたことにより、Epimorphinが接着分子として働く可能性が存在し、現在、免疫電顕による精細な検討を行っている。これらの所見はEpimorphinの未知の機能を持つことが示唆され、来年度の検討に期待される。
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