2002 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成能を有する成長ゾーン延長を応用した仮骨延長術に関する実験的研究
Project/Area Number |
13671877
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江口 智明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00302688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米原 啓之 帝京大学, 医学部附属病院, 講師 (00251299)
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
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Keywords | 骨延長 / 成長帯 / 骨形成能 / ウサギ / 新生骨 / 延長装置 / 大腿骨 / 下顎骨 |
Research Abstract |
今研究では幼若白色家兎を用いて成長帯における骨延長モデルを作成し、延長速度、延長方法の違いにより、仮骨延長法における骨新生のメカニズムを解明する。とくに旺盛な成長能を有する成長帯での仮骨延長では、現在臨床応用されている仮骨延長法がさらに発展することが期待される。昨年度は、白色家兎の下顎骨に骨切りを行い、新しく開発した創外固定装置により自由度の高い、すなわち三次元的に複雑な形態を持った顎顔面骨に対しても有効な仮骨延長を行う実験モデルを開発した。本方法における自由度の高い延長方向の設定により、良好な骨形成が認められた。今年度は、幼弱家兎の大腿骨遠位骨端部の成長帯に牽引力を付与することにより、成長帯にかかる負荷と成長帯延長の機序に関する研究を行った。骨および軟骨に対して骨切り術などの侵襲を加えることなく、成長帯の近位および遠位にスクリューピンを刺入し、1日あたり0.3mmおよび0.6mmの延長牽引力を加えた。牽引延長後10日目の組織学的所見では、1日当たり0.6mmの延長群ではアルシャンブルー染色やサフラニン-O染色において成長帯における旺盛な軟骨機質の増生が認められ、軟骨細胞活性の増加が示唆された。今後、下顎骨の成長帯に対しても同様に成長帯牽引による延長を試みるとともに、成長帯牽引後の後戻りや組織障害の評価、また成長帯牽引後の成長に対する影響を調査する。またこの延長方法における牽引力の測定や、成長帯における酵素活性、細胞外マトリクス発現の検討なども必要である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 江口智明, 高戸毅, ほか: "再建下顎に対する骨切り術・骨延長術を用いた咬合再建"日本マイクロサージャリー学会会誌. 15巻・2号. 125-126 (2002)
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[Publications] 江口智明, 高戸毅: "顎顔面外科領域における小児形成外科"小児外科. 34巻・6号. 653-658 (2002)
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[Publications] 江口智明, 高戸毅, ほか: "口唇裂、口蓋裂治療における出生前から唇裂初回手術までのチーム医療"形成外科. 45巻・2号. 125-130 (2002)
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[Publications] Eguchi T, Takato T, et al.: "Surgical Repair for Congenital Macrostomia : Vermilion Square Flap Method"Annals of Plastic Surgery. Vol.47 ・6. 629-635 (2001)