2001 Fiscal Year Annual Research Report
セメント質の発生に伴う細胞外基質の代謝とその制御機構の解明
Project/Area Number |
13671893
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹野 泰之 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30196191)
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Keywords | セメント質 / 発生 / 細胞外基質 / MMP / TIMP / 骨 / 骨芽細胞 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究計画では、ラット臼歯歯根を研究対象とし、コラーゲン等の細胞外基質分子と共に、組織細胞内でのMMPsとTIMPsの遺伝子発現の動態を検索して、セメント質の発生過程における細胞外基質の産生及び代謝とその制御機構を明らかとすることを目的としている。また、比較の対象として、セメント質と類似した組織構造をもつ骨の発生過程に関しても同様に検討し、細胞外基質の産生と代謝について、セメント質と骨、それぞれの発生の特異性も併せて検索する。 平成13年度では、コラゲナーゼであるMMP8とMMP13に着目し、骨の発生過程を検討した。胎生期及び成長期のラットの下顎骨と脛骨を研究対象として、RT-PCRとin situ hybridizationを利用しMMP8とMMP13の遺伝子発現をI型コラーゲンと比較して検討した。MMP8は骨形成領域の間葉細胞集合、骨膜細胞、骨細胞、扁平な骨芽細胞に広く発現していたが、I型コラーゲンを活発に産生する立法形の骨芽細胞には発現が認められなかった。一方、MMP13の発現は、骨細胞及び扁平な骨芽細胞に限られていた。結論として、骨の発生過程において、MMP8とMMP13がコラーゲン等の細胞外基質の改変に関与する可能性が示された。この研究成果は、Sasano et al.(2002)J Histoshem Cytochem. 50 : 325-332の誌上で既に発表している。 平成14年度では、セメント質の発生過程においても同様の検索を行い、さらにMMP2やMT1-MMP等のMMPsやTIMPsの発現についても検討を加え、骨と比較してセメント質発生における細胞外基質代謝の特性を明らかにしたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sasano Y, 他: "Gene expression of MMP8 and MMP13 during embryonic development of bone and cartilage in the rat mandible and hide limb"J Histochem Cytochem. 50. 325-332 (2002)
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[Publications] Kamakura S, Sasano Y, 他: "Implanted octacalcium phosphate is more resorbable than β-tricalcium phosphate and hydroxyapatite"J Biomed Mater Res. 59. 29-34 (2002)
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[Publications] Shimizu T, Sasano Y, 他: "Osteoblastic differentiation of periosteum-derived cells is promoted by the physical contact with the bone matrix in vivo"Anat Rec. 264. 72-81 (2001)
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[Publications] Kamakura S, Sasano Y, 他: "Implantation of octacalcium phosphate combined with trasforming growth factor β1 enhances bone repair as well as resorption of the implant in rat skull defects in rat skull defects"J Biomed Mater Res. 57. 175-182 (2001)