2002 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞アポトーシスを誘導する歯周病細菌毒素の精製と誘導に関わる細胞内因子の同定
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13671906
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
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Keywords | 外毒素 / CDT / アポトーシス / 細胞周期停止 / 歯周病細菌 / 若年性歯周炎 / 難治性歯周炎 / 歯周病原因子 |
Research Abstract |
歯周炎の病巣である歯周ポケット中には,多種・多様の細菌が生息して複雑な生態系が形成されている.これまでの細菌学的および免疫学的な研究の結果,数種のグラム陰性嫌気性菌が主たる原因菌と考えられ,これらを中心に歯周病の発症に関わる病原因子が解析されてきた.我々の研究室では,若年性歯周炎あるいは難治性歯周炎の原因菌の一つと考えられているActinobacillus actinomycetemcomitansがこれまで報告されている外毒素とは異なる新規毒素を産生していることを見出した.今回の研究では,まず,すでに遺伝子がクローニングされているcytolethal distending toxin (CDT)の細胞周期停止機構と新規毒素の活性発現機構を比較検討した.CDTがHela細胞でG2/M期で著しい細胞周期の停止を引き起こすのに対し,新規毒素はこの細胞でアポトーシスを誘導することを明らかにした.さらに,CDTも白血球系の細胞株であるU937細胞に作用させると,新規毒素と同じようにアポトーシスを誘導することが明かとなった.さらに,CDTのサブユニットCDT-A, CDT-B, CDT-Cのリコンビナントタンパクを用いて調べたところ,活性発現に直接関わっているのはCDT-Bであり,CDT-AとCDT-Cは,CDT-Bの細胞内移入にのみ関与していることが示唆された.以前,論文で報告したように,新規毒素には本菌が産生するロイコトキシンやCDTなどは含まれていないことを確認しているが,今回,新規毒素にCDT-Bの混入はないことをあらためて確認した.しかしながら,今回,部分精製標品をより純度の高めてきたが,アミノ酸配列を決定するまでには至らなかった.さまざまな精製方法で単一タンパクまで精製してきたにも関わらず,成功に至らなかったことを踏まえ,今後は遺伝子工学的な方法を取り入れて,新規タンパクの遺伝子のクローニングを行っていかざるを得ないと考えている.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sato, T., T.Koseki et al.: "p53-Independent Expression of p21CIP1/WAF1 in Plasmacytic Cells during G2 Cell Cycle Arrest Induced by Actinobacillus actinomycetemcomitans Cytolethal Distending Toxin"Infect. Immun.. 70. 528-534 (2002)
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[Publications] Nakahara, T, K.Tominaga et al.: "Growth/differentiation factor-5 induces growth arrest and apoptosis in mouse B lineage cells with modulation by Smad"Cellular Signalling. 15. 181-187 (2003)