2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌代謝産物によるT細胞の細胞周期調節機構
Project/Area Number |
13671915
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
落合 智子 (栗田 智子) 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (20130594)
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Keywords | アポトーシス / T細胞 / 揮発性脂肪酸 / 細胞周期 / CDK / サイクリン |
Research Abstract |
1.0.31-5mMの酪酸を作用させ培養したヒトT細胞(PBMC及びJurkatTリンパ球細胞株)をPI染色しFACScanにかけて細胞周期を解析した。2.5mM以上の濃度の酪酸添加でアポトーシス期細胞の増加並びにCell cycleのG1期での停止が認められた。 2.細胞周期の進行における酪酸添加24hの影響をWBにより解析した。CDKインヒビターであるp21^<CIP1/WAF1>発現はJurkat及びPBMCいずれにおいても酪酸添加による差が認められなかった。一方、酪酸でアポトーシスを誘導しない結腸腺癌細胞WiDrや骨肉腫細胞MG63においては酪酸添加によりp21^<CIP1/WAF1>の発現増強が認められた。このことから、酪酸誘導アポトーシスにはp21^<CIP1/WAF1>の関与は無いものと考えられる。一方、酪酸添加によりG1初期のCyclinD1-サイクリン依存性キナーゼCdk4,G1-S期移行期のCyclinE-Cdk2,S期のCyclinA-Cdk2の発現低下が認められた。更に、酪酸添加によりp21^<CIP1/WAF1>以外のCDKインヒビターであるp27^<KIP1>発現の増加が認められたが、p16^<INK4a>及びp15^<INK4b>の増加は顕著ではなかった。これらの結果はRT-PCR解析においても確認された。また、Kinase活性を免疫沈降により測定したところ、CyclinD,Eの低下及びCDK2,CDK4の低下がWBと同様に認められた。 以上の結果から酪酸で誘導されるT細胞アポトーシスはCDKインヒビターp27^<KIP1>発現の増加と関連するCdk4-CyclinD,Cdk2-CyclinE及びCdk2-CyclinAの低下を介した細胞周期の停止と伴うものと推測された。
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Research Products
(1 results)