2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671917
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
後藤 實 日本大学, 歯学部, 助教授 (10102617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井田 新一郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10114745)
稲毛 稔彦 日本大学, 歯学部, 助教授 (90096769)
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Keywords | 骨粗鬆症 / OVX / TGF-β / レセプター / 破骨細胞 |
Research Abstract |
エストロゲンの欠乏によって引き起こされる閉経後に生じる骨粗霧症の原因になっている。そこでエストロゲンの骨再生に与える影響を検索する目的で,卵巣摘出ラット(Ovariectomized rat, OVXラット)を用い,骨欠損の治癒過程におけるBMPおよびそのreceptorの局在を観察した。 材料と方法:体重約450gのWistar系ラットの両側の卵巣を摘出し低カルシウム食で飼育を行い,臼歯を抜歯し,1,2,4,7日,1,2,3,4,8,週間後に固定し,パラフィン包埋した。 1.免疫組織化学・・・・・以下の抗体を使用してABC法で反応を行う。 (1)成長因子:ヒトBMP-2,BMP-4抗体およびマウスTGF-β1,β2,β3,(King Brewing社)抗体を使用する。 (2)リセプター:マウスBMP-4,BMPR-IA, BMPR-IB, BMPR-II抗体を用いて免疫組織化学による検索を行った。 結果:OVXラットの抜歯窩では抜歯後3日目では,線維化が開始し,血管の新生も多く認められた。抜歯後7日目では抜歯窩には線維形成が進行し,抜歯窩底部では骨新生が開始した。この時期では線維芽細胞や骨芽細胞にも反応が見られるが、破骨細胞におけるBMPおよびそのレセプターの遺伝子発現および免疫反応はより強く観察された。抜歯後14日では抜歯窩底部から骨梁形成が認められ,28日目では抜歯窩はほぼ骨組織で満たされていた。また抜歯後3〜7日目では抜歯窩壁面に正常な動物よりも破骨細胞による骨吸収像が多数観察され,正常なラットでは抜歯後4日目に骨形成が観察された。 抜歯窩治癒過程に伴い,BMPおよびそのレセプターの免疫反応は線維芽細胞,前骨芽細胞や破骨細胞にも観察されたが,破骨細胞の免疫反応は最も強かった。 OVXラットでは抜歯窩の治癒過程で破骨細胞による骨吸収時期が遅延することによって,骨形成時期が遅くなるものと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 稲毛稔彦, 大井田新一郎, 他: "抜歯窩の治癒過程におけるBMPの遺伝子発現"日本大学歯学部総合歯学研究所研究報告書. 03号. 101-111 (2003)
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[Publications] 稲毛稔彦, 他: "歯胚の成長に伴う硬組織形成の微細構造"日本大学歯学部研究紀要(一般教育). 29号. 45-53 (2001)
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[Publications] 稲毛稔彦: "歯科におけるBMPと骨誘導の発展性"日本歯科医師会雑誌. 53・11. 1029-1036 (2001)
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[Publications] 稲毛稔彦, 他: "電子顕微鏡を用いたエナメル芽細胞におけるamelogenin mRNAの遺伝子発現"日大歯学. 76・5. 491-499 (2001)
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[Publications] 稲毛稔彦, 後藤 實, 大井田新一郎他: "マウス顎顔面の発育におけるCBFA-1およびBMP-4の局在について"日大歯学. (発表予定). (2003)
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[Publications] 稲毛稔彦他: "歯周組織とエナメルタンパク"永末書店. 61-69 (2002)