2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671920
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
高橋 理 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (70163243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 亮 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (30329198)
林 弘之 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (80121028)
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Keywords | ラット / 咀嚼運動 / 三叉神経運動核 / 生後発達 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
本研究では脳幹の三叉神経運動ニューロンにシナプス結合するGABA性の神経終末,運動ニューロンに観察されるGABA_A, GABA_Bレセプター,グリシンレセプターを生後発達において光顕的,電顕的に解析することを目的とした.実験には雌ラット(生後1-35日齢)を灌流固定の後に厚さ40μmの横断連続切片を作製,免疫組織化学法により三叉神経運動核内のGABA免疫陽性神経終末,上記のレセプターを標識し,共焦点レーザー顕微鏡または電子分光形分析電子顕微鏡にて観察した.その結果,生後7日齢の実験動物では三叉神経運動核の領域内でグリシンレセプターが背外側部に限局して観察されたが,28-35日齢の実験動物では免疫活性が消失し,GABA_A, GABA_Bレセプター免疫陽性構造が三叉神経運動核全域の運動ニューロンの細胞質に認められた.電顕的には細胞質が電子密度の高く標識された軸索-樹状突起性および軸索-細胞体性GABA陽性神経終末が多数観察された.これらは球形のシナプス小胞を含み,非対称性の膜肥厚を形成していた. これより三叉神経運動核における抑制性神経伝達物質およびレセプターの分布と生後発達については,実験動物の顎運動が吸啜運動から咀嚼運動に移行する際に,制御する神経回路において大規模なリモデリングの生ずることが示唆された.
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