2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671938
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
能城 光秀 広島大学, 歯学部, 助教授 (00144858)
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Keywords | スタチン / コレステロール / 軟骨細胞 / 骨形成因子 / 幹細胞 |
Research Abstract |
骨・軟骨増殖因子としてよく知られている骨形成因子(BMP)のうちBMP-2遺伝子のプロモーターを活生化する化合物の検索の結果、スタチンと呼ばれる一群の化合物が著しくこれを活性化する事が見いだされた。その結果として骨量増加が引き起こすことが観察され、骨・軟骨増殖研究に新たな局面を開いている。本来スタチン化合物はコレステロール合成系路の調節酵素であるハイドロキシルメチルグルタリルCoA還元酵素の化学阻害剤として高コレステロール血症の治療薬として開発され、広く用いられているものである。本研究はスタチン化合物のうち入手可能なセリバスタチン、プラバスタチンなどの軟骨培養細胞に対する効果を検討し、その増殖分化過程、および骨化過程への影響をBMP-2や増殖因子、その他の分化マーカーへの効果を併せて調べ、スタチンの軟骨増殖分化効果への利用価値を検討することをも目的とするものである。これまでに以下のような成果を得ている。 分化マーカーのmRNA検出定量のためにプローブとして用いるヒトと、ウサギの各cDNAを調製した。これらのcDNAを用いて主にウサギの骨髄より調製した幹細胞、及び肋軟骨初代細胞培養系についてスタチンによる分化増殖調節機構の解析を行った。 ウサギ軟骨培養細胞をプラバスタチン処理すると、10^<-5>M、24時間でBMP2のmRNAが増加してきたがそれ以下では有意な変化は見られなかった。 ウサギ骨髄由来の幹細胞に10^<-6>Mセリバスタチンを用いると、BMP2のmRNA量には変化は見られなかったが、形態形成因子インディアンヘッジホッグのmRNA量が著しく増加することが見られた。この条件下ではPTHrP、アルカリンフォスファターゼなども増加していた。カルシウム沈着は5x10^<-6>Mの濃度で見られた。 スタチンは軟骨分化の各マーカー遺伝子の発現に影響を与える事が観察されたので、今後この現象に詳細な検討を加える予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fujimoto, K. et al.: "Molecular Cloning and Characterization of DE C2, a New Member of Basic Helix-Loop-Helix Proteins"Biochem. Biophys. Res. Commun. 260. 164-171 (2001)
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[Publications] Teramoto, M. et al.: "Gene structure and chromosomal location for a human bHLH transcriptional factor DEC1 Stra13 SHARP-2/BHLHB2"J. Biochem. 129. 391-396 (2001)
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[Publications] Nakamasu, K. et al.: "Structure and Promoter Analysis of the Mouse Membrane-bound Transferrin-like Protein (MTf) Gene"Eur. J. Biochem. 268. 1468-1476 (2001)
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[Publications] Kim, HG et al.: "Hypocholesteromic effect of bile acid sulfonate analogs in the hamsters"Biol. Pharm. Bull. 24. 218-220 (2001)
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[Publications] Yoshida, E. et al.: "Direct Inhibition of Indian Hedgehog Expression by PTH/PTH-Related Peptide and Up-Regulation by Retinoic Acidin Growth Plate Chondrocyte Cultures"Exp. Cell Res.. 265. 64-72 (2001)
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[Publications] Shen, M et al.: "Induction of basic helix-loop-helix protein DEC1 (BHLHB2)/Stra13/Sharp2in response to the cyclic adenosine monophosphate pathway"Eur. J. Cell Biol.. 80. 329-334 (2001)