2001 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルスベクター発現系による唾液腺SNARE蛋白質の機能解析
Project/Area Number |
13671946
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
田隈 泰信 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40095336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40306254)
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Keywords | アデノウイルス / SNARE / 唾液腺 / 開口分泌 / GFP |
Research Abstract |
現在、唾液腺由来の培養細胞で分泌機能を保持したものは存在しないため,遺伝子導入等により唾液腺の分泌機構を解析するにはin vivoまたはprimaryの細胞を用いる他ないが,従来の遺伝子導入法は効率が極めて低く解析は困難であった。本研究は,遺伝子導入効率の極めて高いアデノウイルス・ベクターにSNARE蛋白質のcDNAを組込み,開口分泌におけるSNARE蛋白質の役割をin vivoおよびprimaryの唾液腺細胞を用いて明らかにすることを目的とする。これまでに得られた研究成果を以下に箇条書きで示す。 (1)クローンテック社のAdeno-X expression Systemを用い,GFP遺伝子を含むタイターの高いアデノウイルスを調製し,これをコラゲナーゼ消化法で分離したprimary耳下腺細胞に導入,共焦点レーザー顕微鏡下でGFPの効率良い発現を確認した。 (2)SNARE蛋白質であるVAMP-2のアミノ末端にGFPを融合したGFP-VAMP-2を組込んだアデノウイルス発現系の調製を試みたが,ウイルス粒子の形成に到らなかった。 (3)VAMP-2のカルボキシ末端にFLAGエピトープを融合したVAMP-2-FLAGとGFPが同時に共発現するシステムをアデノウイルス・ベクターに構築した。このベクターは感染細胞をGFPの蛍光で容易に識別でき,同時に,免疫組織化学と免疫沈降が可能なVAMP-2-FLAGを発現する。これをラット顎下腺にin vivo導入したところ,VAMP-2-FLAGは主として顎下腺線条部導管細胞に発現した。
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