2001 Fiscal Year Annual Research Report
LPS応答性転写制御因子の抗炎症薬による変動とクロストーク現象
Project/Area Number |
13671957
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
大浦 清 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20131378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 泰孝 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50298816)
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Keywords | PPARγ / マクロファージ / 自然免疫 / 炎症 / 核内転写制御因子 / プロスタグランジン類 |
Research Abstract |
Peroxisome proliferator activated receptor(PPAR)γは、ステロイドホルモンレセプタースーパーファミリーに属する核内転写調節因子であり、元々は脂肪細胞への分化誘導因子として発見された。しかしながら、近年、これら脂質代謝だけでなく炎症反応や動脈硬化病変においても重要な機能的役割を担っている可能性が示されている。今年度は、炎症反応におけるPPARγシグナルの役割を追求する目的で、PPARγの内在性アゴニストである15-deoxy-Δ^<12.14>-prostaglandin J_2(dPGJ_2)を用いて、マクロファージ接着能、遊走能、貧食能、スーパーオキサイド産生能、過酸化水素産生能、さらに、IL-10およびIL-12産生能に対する影響について検討を行った。その結果、dPGJ_2はマクロファージ接着能、遊走能、および貧食能を有意に抑制した。一方、スーパーオキサイド産生能に対しては、dPGJ_2はPMAあるいはOPZで刺激した場合には有意な抑制を示したが、LPSで刺激した場合には産生能に著変を与えなかった。さらに、過酸化水素産生能に対しては、dPGJ2はPMAあるいはOPZで刺激した場合に有意な抑制を示した。続いて、IL-10およびIL-12産生能に対しても、dPGJ_2はいずれも有意に抑制した。上記成績は、dPGJ_2は今回検討したマクロファージ機能をいずれも抑制する可能性を示しており、新しく抗炎症薬として利用できる可能性が示唆される。次年度以降は、dPGJ_2による抗炎症作用の特異性を明らかにするために、類縁プロスタグランジン類について同様の検討を行う予定であり、プロスタグランジン類と炎症反応についての相互作用を明らかにしたい。
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