2002 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌頸部リンパ節転移診断におけるらせん走査型CTの至適撮影条件の検討
Project/Area Number |
13671965
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
林 孝文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80198845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 周三 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70313525)
勝良 剛詞 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (30283021)
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Keywords | 口腔癌 / 舌癌 / 頸部リンパ節転移 / らせん走査型CT / 経静脈造影 / 造影前CT / hyperdense area / 角質変性 |
Research Abstract |
当該年度における口腔癌患者については、平成14年1月より12月までの1年間に本学歯学部附属病院にてCT撮影を行った1138症例中、,頸部リンパ節転移の可能性のある悪性腫瘍症例はのべ249症例であった。このうち、経静脈造影を施行したのは235症例(94%)であった。らせん走査型CTは東芝社製Xvigor Realを使用した。造影前CTはスライス厚を3mmとし、ノンヘリカルスキャンにて行った。造影後CTはIopamidol 100mlあるいはIoversol 75mlを使用し、造影剤自動注入装置にて秒間1.5ml前後の速度で注入し、注入開始後45秒前後よりヘリカルスキャンを行った。得られた画像を本研究の実施計画に基づき病理組織標本のマクロ画像と照合し比較検討を行った結果、造影後CTのみでは見落とされる可能性のある顕著な角質変性を伴った転移腫瘍を、造影前CTの経時的変化の評価によりhyperdense areaとして検出し得る可能性が示唆された。そこで本研究に用いているせん走査型CT導入時の1997年まで遡り、造影前CTが舌癌の後発リンパ節転移検出に有効か否かを検討した。対象は1997年1月から2001年9月までの間に、本学歯学部附属病院にて治療を行ったstage I/II舌扁平上皮癌24症例。このうち11症例に頸部郭清術が施行され、病理組織学的転移リンパ節は17個であった。これらを術前画像と詳細に比較検討した結果、CTの診断精度は造影後CTのみによるリンパ節単位でのsensitivityは65%であったが、造影前CTを含めると82%に改善した。以上より、舌癌の後発頸部リンパ節転移を早期に検出するためには、経過観察において造影前CTを省略すべきではないことが明らかとなった(本研究に関わる症例報告は、AJNR Am J Neuroradiolに採用済み・掲載予定)。
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Research Products
(1 results)