2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病関連細菌の病原性診断のためのカスタムメイドDNAチップの作製
Project/Area Number |
13671981
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平塚 浩一 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80246917)
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Keywords | マイクロアレイ / P. gingivalis / 増殖 / 酸化ストレス / 遺伝子発現 / リアルタイムPCR / 蛍光標識 |
Research Abstract |
本年度は、試料として本菌体の各増殖時期のRNAを用いて、各時期における遺伝子発現の変化をカスタムメイドP. gingivalis DNAチップを用いて確認した。またこの遺伝子発現変化をリアルタイムPORにて確認を行なった。菌体をearly-log(EL), mid-log(ML), late-log(LL)およびstationary phase(ST)に増殖させ、各ステージから全RNAを抽出した。ランダムプライマー存在下でRT反応を行い、cDNA合成過程で蛍光色素を取り込ませることで蛍光標識試料の作成を行なった。ML期の発現強度をコントロールとして各増殖ステージにおける発現強度を解析した。 ML期の試料を対象として各増殖過程における発現量の変化を時系列で検討した結果、各増殖時期においてそれぞれ特異的な遺伝子の発現が認められた。EL期では遺伝子発現比が比較的増加している遺伝子数が多く認められ、その多くはdps, SCD, HSPなど酸化ストレス応答牲のものが多く認められた。また、ML期に対してLL期では全体的に発現比が高まる傾向にあるもののその大部分が2倍以内であった。ST期ではおよそ50%の遺伝子の発現量が大きく減少していることがアレイの結果から見い出された。 以上の結果から、各菌体増殖期においてP. gingivalisが代謝・増殖するための環境を整えるために、それぞれ必要な遺伝子発現量を調整している状態が確認された。また、アレイ解析の結果の一部をリアルタイムPCRで確認したところ、ほぼ同様な結果が確認されたことからグローバルな観点から各遺伝子の発現量を検討する目的でDNAアレイは強力なツールであることが示唆された。
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