2002 Fiscal Year Annual Research Report
ボンディングレジンの強度がコントラクションギャップの発生に及ぼす影響
Project/Area Number |
13671993
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池田 考績 北海道大学, 歯学研究科, 助手 (90222885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 享 北海道大学, 歯学研究科, 助手 (90179771)
井上 哲 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (80184745)
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Keywords | ボンディングレジン / コントラクションギャップ / 微小押し込み硬さ / 弾性率 / 微小引張り強さ |
Research Abstract |
近年、ボンディングレジン(以下、BR)の機械的性質と接着性能の関係に関する報告が注目を集めている。我々はこれまでに、セルフエッチングシステムにおける、BRの微小引張り強さと、象牙質に対する微小引張り接着強さの間の相関を指摘してきた。また、BRはその低い弾性率により、重合収縮応力を緩和することが報告されている。重合収縮応力によるコントラクションギャップの発生と、BRの機械的性質の関連を明らかにするには、特に光照射直後のBRの機械的性質が重要となる。本研究では光照射直後(5分後)の数種BRの微小押し込み硬さ、弾性率、微小引張り強さをnano-indentation testおよびmicrotensile testにより評価し、24時間後の数値と比較した。その結果、微小押し込み硬さ、弾性率、微小引張り強さともに、5分後の数値は24時間後に比べて低く、また材料間による差異を認めた。同一材料における5分後の硬さが24時間後に比べ低いのは重合率の低さを反映しているものと推測される。同様に、微小引張り強さも光照射直後では低く、重合収縮応力によるde-bondingが懸念される。一方、BRによる重合収縮応力を緩和する働きを考えると弾性率は小さいほど、より応力を緩和する働きが強いことが知られているため、光照射直後のBR機械的性質の低さとコントラクションギャップの関係については更に検討が必要である。今後は、接着界面におけるBRの機械的性質に検討を加えると伴に、微小接着強さを評価することで、BRの機械的性質と接着性能の関係に関する、より詳細なデーターを収集することが必要である。
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