2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671995
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉澤 かほる 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00124602)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 由美 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10223067)
玉澤 佳純 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10124603)
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40292221)
|
Keywords | 歯周病 / 心疾患 / リスクファクタ |
Research Abstract |
本研究の目的は、歯周病が、血管系心臓病の危険因子となりうるかどうかを検討することである。当初、本学医学部から紹介された心疾患患者を対象にして、研究を進める予定であった。しかし、手術や体調により当科への継続した通院が困難、あるいは研究への同意を得ることが難しいなどの理由から、研究対象者数が思うように集まらなかった。そこで、今年は、宮城県の北部にある町で行われた歯科検診の受診者405名(男性188名、女性217名、平均年齢52歳)を対象に、心臓病と歯周病の臨床病態に関して検討した。調査項目は、硬組織疾患の状態と処置内容、歯周ポケット深度、BOP、歯石の付着状態、歯、舌、義歯の清掃状態を診査した。また、既往疾患名、喫煙の有無と量、オーラルケアの関心度(歯磨き回数、適切な歯ブラシの大きさや磨き圧、歯面への当て方などブラッシングに関する知識の有無、歯間ブラシの使用状況、歯石除去の有無、定期検診の有無)について調査し、受診者名を番号に置き換えて個々の受診者が特定できないようにデータ処理した。その結果、既往疾患は、のべ数で心疾患が12名、高血圧症は64名、糖尿病は11名、その他(腎疾患、肝臓、胃疾患など)は70名であった。年齢と最大ポケット深さ(3mm以下、4〜5mm、6mm以上)の分布について、心疾患・高血圧症群(69名)と、全身疾患のない群(279名)間で検討したところ、両群とも年齢が高くなるほど、ポケット深さは深くなったが、両群の間に分布の差はみられなかった。歯周病のリスクファクタとされている喫煙に関しては、対象者の喫煙者は50名であったが、心疾患・高血圧症群の喫煙者は5名と少なく、生活指導の関与が推察された。 次年度は、より多くの研究対象者を求めて、血管系心臓病の病変の進行度と歯周病態および歯周治療の効果との関連について詳細に検討していく予定である。
|