2002 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱作用を指標とした根管消毒剤のリスク評価と代替物質の考案
Project/Area Number |
13671998
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樽味 寿 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00294108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木ノ本 喜史 大阪大学, 歯学部付属病院, 講師 (10252694)
恵比須 繁之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50116000)
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Keywords | 根管消毒剤 / 内分泌攪乱化学物質 / 環境ホルモン / estrogenicity / reporter gene assay / uterotrophic assay / in vitro / in vivo |
Research Abstract |
今年度に我々は,歯科臨床で用いられている代表的な4種の根管消毒剤(Formalin/Cresol, FC ; Formalin/Guaiacol, FIG ; p-Cholorophenol/Guaiacol, Methocol^【○!R】 ; Guaiacol, Creodon^【○!R】)およびこれら消毒剤の主成分の女性ホルモン様活性をreporter gene assayにて検討した. その結果,市販製品としてはMethocol^【○!R】が10μg/mL以上の濃度で, p-Chlorophenolとp-Cresolとがともに50μM以上の濃度で女性ホルモシ様活性を示した.一方,Formalinを含むFCとFGでは,低濃度のサンプルにおいても毒性によって細胞が死滅し,その女性ホルモン様活性は判定できなかった.Methocol^【○!R】の女性ホルモン様活性はp-Chlorophenolに由来すると考えられ,FCにおいても,p-Cresolを含有することから潜在的な女性ホルモン様活性を示すことが疑われた. そこで次に,市販根管消毒剤4種およびその主成分4種のin vivoにおける女性ホルモン様作用発現量を,卵巣摘出ラットを用いたuterotrophic assayにて検定した.その結果,15μL/kg/dayに調整した市販根管消毒剤,あるいは50mg/kg/dayに調整した消毒剤主成分,どちらにおいてもラットの子宮に変化は認められず,n vivo実験系では,これらの化学物質による女性ホルモン様作用の発現は確認されなかった. 以上のことから,根管治療に使用する消毒剤の主成分の一部に女性ホルモン様活性を示すものが存在することは望ましくないが,これらの活性は非常に弱く,生体への影響は極めて少ないことが示された.
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Research Products
(1 results)