2001 Fiscal Year Annual Research Report
オゾン水による感染軟化象牙質,感染歯髄,および感染根管の新しい無菌化療法の開発
Project/Area Number |
13672005
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
寺下 正道 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00118085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福泉 隆喜 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (50275442)
北村 知昭 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (50265005)
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Keywords | オゾン水 / 殺菌効果 / 感染根管 / Enterococcus faecalis / 消毒剤 |
Research Abstract |
研究代表者らは,一般的な口腔内微生物にオゾン水を作用させると,低濃度かつ短時間のうちに優れた殺菌効果が得られることを既に明らかにしている.しかし,感染根管等から分離される細菌に対するオゾン水の殺菌効果は明らかでない. 本研究では,まず感染根管等から分離される代表的な細菌のEnterococcus faecalisを用い,オゾン水の殺菌効果について作用濃度と作用時間の両面から検討を行なった.その結果,他の一般的な口腔内微生物と同様に,菌体単独の場合はE.faecalisについても0.5mg/Lという低濃度で,10秒〜30秒程度の短時間のうちに,オゾン水が殺菌効果を示すことを明らかにした.次いで,変性歯髄組織を除去した滅菌ウシ抜去歯を,BHI液体培地を毎日交換しながらE.faecalisと共に6日間培養し,髄腔壁と象牙細管内に同菌を定着させた模擬感染根管モデルを作成した.このモデルに4mg/Lのオゾン水を120秒間連続注水した後,根管を直径3.3mm(ISO 033)まで拡大した.このとき,液体培地に懸濁した根管の削片をBHI寒天平板培地で18時間培養したところ,オゾン水処理によって根管内の細菌数を約1/10に減少させることができた.また,このモデルにおけるオゾン水の連続注水にキャビテーションを併用すると,ほぼ根管内を無菌化することができた.これらの効果は,次亜塩素酸ナトリウムによるそれと同程度であった.さらに,細管深部の菌体までオゾン水の殺菌効果が及ぶことも,組織切片上で確認した.これらの結果については,第44回歯科基礎医学会総会(東京)にて発表の予定である. なお,安全性確認のための細胞毒性試験等については,平成14年度の研究において行ないたい.
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