2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672006
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Research Institution | HEALTH SCIENCES UNIVERSITY OF HOKKAIDO |
Principal Investigator |
川上 智史 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (00169682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 康彦 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (60281284)
荊木 裕司 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (30139604)
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Keywords | Er:YAGレーザー / コンタクトチップ / 硬組織切削 / インレー窩洞 / チゼル型チップ / 高拡散性 |
Research Abstract |
本研究では、従来の齲蝕歯に対する窩洞形成の新たな手段として期待されるEr:YAGレーザーを用い、インレー窩洞形成を可能にするコンタクトチップを開発し、レーザーによる窩洞形成の用途を拡大し、エアータービンに匹敵する切削器具となることをめざした。その結果、従来のチゼル型チップの特性である高拡散性を確保しつつ、エナメル質における低切削能率(0.6mm従来型チップと比較して)、切削時の注水、従来型のチゼル型チップの材質が石英単体であったため、切削時にチップの破損が多い点について改善し、新たなチゼル型チップの試作(B-200と略す)に成功した。このチップは、直径200μmの石英ファイバー7本を一列に配し、各ファイバーをエポキシ樹脂接着剤で固定し、可及的に直線になるように並べ、薄肉の金属パイプを圧接成形したものであり、チゼル型チップの特徴である照射エネルギーの高拡散性を確保しつつ、レーザー照射時に注水可能な構造である。また、ファイバーを一列に配したことにより、横方向出射パターンを大きく変えることが可能になり、切削能率を向上させることができる。さらに、窩洞の平坦化も容易に行うことができ、広範囲な切削が可能であり、シャープな切削面が得られ、切削効率も0.6mm従来型に近い値を示すことがわかった。これらのことから、メタルインレー窩洞形成に有効なチップと考えられ、従来のEr:YAGレーザーの応用範囲を広げる可能性を持ったものである。今後、さらなる改良を重ねることにより、インレー窩洞形成はもとより、幅広く応用できるものと考える。
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