2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672012
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鶴町 保 日本大学, 歯学部, 講師 (60139201)
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Keywords | 歯根嚢胞 / タンパク質分解酵素 / 浸透圧 |
Research Abstract |
歯根嚢胞内溶液中に血清タンパク質分解酵素の活性を認め、その酵素の諸性質を調べた結果、以下の結論を得た。 1.すべての歯根嚢胞内溶液中に、血清タンパク質であるアルブミン、トランスフェリン、およびγ-グロブリンを分解する分子量28kDaの酵素活性が認められた。 2.本酵素はセリンプロテアーゼの阻害剤であるAEBSF、aprotininで阻害された。また、TPCK、TLCK、chymostatinでは阻害されなかったが、eglin cによって阻害された。 3.本酵素はArg残基およびPhe残基を有する合成基質を分解しなかったが、Tyr残基を有する合成基質を分解した。 以上のことから、この酵素はSCCE系のキモトリプシン様酵素であり、嚢胞内の血清タンパク質を低分子化する能力があることから、嚢胞の浸透圧を上昇させて嚢胞を拡大する可能性が示唆された。
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