2002 Fiscal Year Annual Research Report
根尖性歯周炎関連細菌によるMMPの活性化とTIMPの不活性化についての研究
Project/Area Number |
13672015
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 洋 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40064878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 是孝 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (00329608)
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Keywords | ヒト歯根膜細胞 / 超音波破砕菌体抽出物(SBE) / P.sinngivalis / MMP-2 / TIMP |
Research Abstract |
細胞外マトリックス(extracellular matrix ; ECM)の分解において重要視されている酵素の1つがMMPsであり,MMPsとその共通の内因性阻害因子であるTIMPsのバランスの崩壊は,組織破壊の進行の重要なポイントとなっている。ほとんどのMMPsは不活性なプロ型酵素として細胞外へ分泌される。又、これまでに根尖性歯周炎関連細菌がMMP-1やMMP-9を活性化することは報告されているが,プロMMP-2の活性化およびTIMPsの不活性化についての報告はないので、本研究で検索する。 1)細胞培養およびSBE添加実験 PL細胞がコンフルエントになるまで培養し、各SBEのタンパク濃度が10μg/mlとなるように調製した無血清RPMI1640培地を1mlずつ加え,48時間培養する。 培養終了後,上清を回収し,MMP-2活性およびTIMP-1,TIMP-2量を測定した。 2)培養上清とSBEの反応 HT1080細胞培養上清に各SBEを加え,37℃,18時間反応したものを測定した。 3)MMP-2活性の測定 ゼラチンザイモグラム法にて検索した。電気泳動は,Laemmliの方法(Cleavage of structural proteins during the assembly of the head of bacteriophage T4.Nature,227 : 680〜685,1970.)に準じて行い、分子量マーカーとしてSDS-PAGE用Prestained Standards Low Range(Bio-Rad,東京)を用いた。また,ポジティブコントロールとしてHT1080培養上清を用いた。その結果、ゼラチンザイモグラムでP.gingivalis SBE添加群では、活性型MMP-2と考えられるバンドの出現を認めた。 4)TIMP-1量およびTIMP-2量の測定 TIMP-1量はKodamaら(Rapid one-step sandwich enzyme immunoassay for tissue inhibitor of metalloproteinases. An application for rheumatoid arthritis serum and plasma. J. Immunol. Methods., 127(1) : 103〜108, 1990.),TIMP-2量はFujimotoら(A one-step sandwich enzyme immunoassay for tissue inhibitor of metalloproteinases-2 using monoclonal antibodies. Clin. Chim. Acta., 220 : 31〜45,1993.)がそれぞれ開発したEIA法にて測定した。その結果、PL細胞培養上清ではP.gingivalis SBE添加群ではTIMP-1を検出できなかった。また、HT1080細胞培養上清とP.gingivalis SBEとの反応では、TIMP-1,2量はP.gingivalis SBEの濃度依存的に減少傾向が認められた。
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