2001 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織誘導能を有するムコ多糖含有リン酸カルシウム根管充填材の開発
Project/Area Number |
13672016
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
戸田 忠夫 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70067023)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好川 正孝 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70148451)
|
Research Abstract |
リン酸カルシウムは一般的に生体親和性に優れていると報告されている。しかし、練和直後のセメントはその粒子の径によっては、多形核白血球またはマクロファージを局所に誘導する。コンドロイチン硫酸ナトリウム含有リン酸四カルシウム・二カルシウム混合セメントも硬化までは、埋入したラット皮下組織内で著しい多核巨細胞の出現と少数のマクロファージの浸潤を観察している。硬化後にはセメント内深部にまで新生したコラーゲン線維や小血管が侵入していた。一方、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含まないリン酸四カルシウム・二カルシウム混合セメントを皮下組織に埋入した対照群では、硬化後のセメント内部に増殖して侵入するコラーゲン線維や小血管を認めていない。 ラット切歯内にリン酸カルシウムセメントを填入して、歯髄細胞の反応を検索する計画であったが、より活性が低いと思われる臼歯歯髄の反応の検索を先行させた。コンドロイチン硫酸ナトリウムの濃度を過去の処方と改変したリン酸四カルシウム・二カルシウム混合セメントをラット臼歯歯髄に応用した結果、応用直後を除いて歯髄細胞の失活は観察されず、いったん歯髄細胞が失活しても再生される可能性がうかがわれた。他の対照としたリン酸カルシウムセメントでは失活した歯髄細胞の存在する領域が実験期間の経過とともに大きくなり、歯髄死に至る傾向が認められた。 現在、in vitroの実験では、ラット後肢両大腿骨から採取できる骨髄細胞数は初代培養後に8〜10×10^6個とほぼ一定し計画的に実験を遂行できるようになった。下顎二切歯から得られる初代培養後の歯髄細胞数は1×10^5で、概ね一定したが、より多数の細胞を得るため、歯髄細胞採取法の改良を行っている。同時に、歯髄細胞と骨髄細胞を用いて、コンドロイチン硫酸ナトリウムをコーティングした多孔質リン酸カルシウムを担体とする硬組織形成実験を実施中である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Masataka Yoshikawa, Shigeru Hayami, Tadao Toda: "In vivo estimation of calcium phosphate cements containing chondroitin sulfate in subcutis"Materia is Science and Engineering C. Vol.21, No.1-2(印刷中). (2002)