2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672017
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
吉田 匡宏 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (70158468)
|
Keywords | チェアーサイド嫌気培養システム / 抗菌薬局所投与 / 難治性根尖性歯周炎 / Candida albicans / Streptococcus oralis / Enterococcus faecalis / Pseudomonas aeruginosa |
Research Abstract |
難治性根尖性歯周炎症例では、通常の感染根管症例とは異なり、特定の菌種がきわめて優勢であるという特徴が認められた。また、特定の菌が単独で認められた症例も多かった。 分離された菌ではStreptococcus、Candida、Enterococcus、Staphylococcus、Peptostrepto-coccus やEubacteriumを中心とする偏性嫌気性菌、EnterobactorあるいはLactobacillusが優勢であった。 しかし、これら初回の細菌検査で認められた菌のほとんどは、チェアーサイド嫌気培養システムを応用した抗菌薬局所投与で速やかに排除された。このことにより、チェアーサイド嫌気培養システムを応用した抗菌薬局所投与法が難治性根尖性歯周炎の治療に効果的であることが示された。 にもかかわらず、Streptococcus oralis、Candida albicansやEnterococcus faecalis の一部が、根管治療に抵抗し長期にわたって残留した症例が認められた。また、これらの菌に加えて、Pseudornonau aeruginosaが菌交代現象の結果として出現し、執拗に残留し続けた症例も認められた。 治療に対して抵抗性を示した菌種と同一菌種が分離された症例でも、早期に消失したものも認められたことから、これら菌種の治療抵抗性は単に薬剤に対する耐性ではなく、同一菌種でも症例により病原性に差がある可能性が考えられる。なかでも、biofilm形成能に同一菌種間でも差がある可能性が考えられる。 組織侵襲性を含めた病原性の検討が必要である。
|
Research Products
(1 results)