2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672017
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
吉田 匡宏 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (70158468)
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Keywords | Candida / 難治性根尖性歯周炎 / 組織侵襲性 / 病原性 |
Research Abstract |
難治性根尖性歯周炎症例では、Streptococcus oralis、Candida albicans, Enterococcus faecalisおよびPseudomonas aeruginosaが根管治療に抵抗し、執拗に根管に残留し続けることが明らかになった。これらtherapy-resistantな菌が難治性根尖性歯周炎の成立に大きな役割を果たしていることは明らかである。 根管治療抵抗性には、中でも組織侵襲性を中心とした病原性が注目される。 中でも、therapy-resistantな根尖性疾患の原因菌としてCandidaが注目されている。 今回、対象とした症例のうち、初回細菌検査時にCandidaが検出された7症例すべてで打診痛、腫脹、根尖部圧痛および根管内滲出液が認められたが、腫脹と根管内滲出液は軽度であった。菌量との相関が認められ、Candidaが100CFU以上で認められた4症例では打診痛はすべて中程度以上であり、根尖部圧痛は3症例で激しかった。しかし、分離された菌種による差は認められなかった。「チェアーサイド嫌気培養システム」を応用した治療によってCandidaが除去されるとともにこれら臨床症状は消失したが、Pseudomonas aeruginosaに変化した2症例では再び急性化した。 治療の途中でCandidaが出現した3症例では明確な臨床症状の変化は認められなかった。以上のことから同一菌種でも症例により病原性に差がある可能性が示唆された。 Candidaは二形態菌であり、その増殖形態により病原性に差があることが知られている。現在、上記のCandida株における培地や培養条件による増殖形態の差を比較し、さらに増殖形態を規定した状態での病原性の発現について検索している。
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