2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672025
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
本村 一朗 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60272598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 英雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60172425)
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Keywords | チタン / 表面改質 / プラズマエッティング / 陶材焼付 / 酸化抑制 / 審美歯科 |
Research Abstract |
著者らはこれまでチタンの審美歯科補綴の応用に不可欠な前装技術の確立と向上のためにチタンと陶材の焼付けについて研究を行ってきた。現在、歯科臨床において補綴物の製作には間接法による鋳造が主流であり、チタンの審美歯科における利用に関しても鋳造試料を用いた陶材焼付技術の確立が必要であり、焼付強さの更なる向上や補綴物の適合においても陶材焼成時の酸化抑制技術としての表面改質が必要と考えられる。 本研究はチタン板表面に表面改質装置の出力および照射時間を変化させ、ぬれ性の変化からチタン表面への陶材焼付に最適な条件を求めることにある。今回表面改質としてプラズマエッチングを行いながら窒化処理を施し、そのチタン板に陶材の築盛、焼成後せん断試験にて焼付強さを求め、焼付強さの向上および安定性が得られるかについて検討を行う予定である。また、破断面の観祭を行い、破壊様相の観察および表面の分析も併せて行う事で更なる応用を検討していくことにこの研究の意義があると考えられる。今年度では表面処理前の使用金属、純チタンの板上試片の作成および表面改質の条件について検討を行った。板上試片の作成には2種類の加工法(放電加工と鋳造加工)を用いた。チタン表面は鋳造時、使用埋没材により反応層を生成する為、そのまま陶材焼成を行うと従来法の金合金と陶材の組み合わせによる焼付強さと比較して壊れやすいことが知られている。それ故これらの因子が関わらない条件として放電加工による試片の作成も行った。表面改質では時間を長くエッチングを行い、窒化時間を陶材焼成時の酸化が最小限に押さえられる条件が得られたが焼付強さの向上に結びつく条件については来年度の検討となる。現在、金属コーピングの作成は鋳造が主流であるが今後鋳造以外の加工法が確立される事が予想されるため、本研究は歯科におけるチタンの更なる発展に寄与できるものと考えられる。
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