2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境ホルモン対策を中心とした機能性軟質義歯裏装材の開発
Project/Area Number |
13672036
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村田 比呂司 広島大学, 歯学部, 助手 (40229993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 泰三 広島大学, 歯学部, 教授 (50034244)
田口 則宏 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30325196)
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Keywords | 軟質義歯裏装材 / 環境ホルモン / 粘弾性 / 咀嚼機能 / 可塑剤 |
Research Abstract |
総義歯あるいは部分床義歯の難症例が高齢社会の到来にともない増加している。このような難症例患者の治療には、ティッシュコンディショナーにより床下粘膜に生じた病変や歪を正常な状態に回復させ、動的印象後、軟質義歯裏装材によりリライニングする術式が非常に効果的である。アクリル系軟質裏装材はシリコーン系軟質裏装材よりも咀嚼力に対する緩圧効果が高いという長所を有するが、近年環境ホルモン(外因性内分泌撹乱化学物質)が社会的に大きな問題となっており、市販製品の液成分の可塑剤として多用されているフタル酸エステルも環境ホルモンであると指摘されている。そこで本研究では、各種エステル、各種ポリマー、各種モノマー、重合開始剤および抗菌剤と本材の成分の溶出ならびに粘弾性的性質との関係を明らかにし、抗菌性を有し、高い緩圧効果をもち、長期間使用可能とするため、ブチル系およびエチル系ポリマーを用いかつ可塑剤として安全性の高い脂肪族エステルを用いた各種機能性軟質義歯裏装材を開発することを目的とする。 本年度はまず、化学組成および構造的因子の異なる軟質義歯裏装材の動的粘弾性を計測し、これら粘弾性的性質が咀嚼機能に及ぼす影響について検討した。その結果、弾性的な軟質義歯裏装材よりも粘弾性的な軟質義歯裏装材のほうが、咀嚼機能を向上させる傾向があることが解明された。この研究成果はJournal of Dental Researchに掲載された。また暫間軟質義歯裏装材の寸法変化と、吸水量、溶解量との関係についても実験を行い、成果はJournal of Oral Rehabilitationに掲載された。 現在、脂肪族エステルとアクリル系弾性裏装材の粘弾性的性質との関係についての実験を行い、投稿準備中である。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Murata H: "Dimensional stability and weight changes of tissue conditioners"Journal of Oral Rehabilitation. 28. 918-923 (2001)
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[Publications] Murata H: "Dynamic Viscoelasticity of Soft Liners and Masticatory Function"Journal of Dental Research. 81. 123-128 (2002)
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[Publications] 村田比呂司: "新しい総義歯作製システム"フィジオロジックデンチャー"(上)ノンアルコールティッシュコンディショナー「フィクショナー」について"日本歯科評論. 61(10). 95-98 (2001)
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[Publications] 村田比呂司: "新しい総義歯作製システム"フィジオロジックデンチャー"(下)粘弾性レジン「バイオライナー」「フィジオライナー」について"日本歯科評論. 61(11). 105-108 (2001)
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[Publications] 村田比呂司: "新たな総義歯臨床コンセプト"フィジオロジックデンチャー""デンタルマガジン. 103. 22-29 (2001)
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[Publications] 村田比呂司: "アルコールを含有しないティッシュコンディショナーのゲル化直後の動的粘弾性"デンタルダイヤモンド. 26(10). 92-93 (2001)
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[Publications] 村田比呂司: "義歯裏装の基礎と効果的臨床応用"歯界展望. 増刊号. 321 (2001)
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[Publications] 村田比呂司: "義歯洗浄剤の種類と使用法"デンタルダイヤモンド. 26(14). 128-129 (2001)
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[Publications] 浜田泰三: "デンチャー ライニング"デンタルダイヤモンド社. 192 (2001)