インプラントを用いたオーバーデンチャーの骨内応力分布に関する研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13672043
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 鳥谷 浩平 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (50188835)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 古谷野 潔 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50195872) ; 松下 恭之 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (60159150)
• Keywords: デンタルインプラント / オーバーデンチャー / ひずみ計測 / 義歯安定

Research Abstract

2本インプラントを支台としたオーバーデンチャーで、3種のアタッチメントを使用した場合に、インプラントに生じるひずみ、義歯の動揺に与える影響について検討した。下顎無歯顎模型の両側犬歯相当部に、インプラントを模型基底面に対して垂直に植立した。疑似粘膜として、シリコンラバー系印象材を用いた。顎骨モデル内に埋入されたfixtureに連結される維持装置としてO-ring、CMバー、マグネットの3種類のアタッチメントを採用した。オーバーデンチャーの臼歯部に荷重を負荷し、インプラントにかかるひずみを測定した。義歯の動きに関しては、左側第一大臼歯相当部に取り付けたセンサー(3SPACE,ポヒマス)にて、義歯の3次元的な変位および回転について計測した.義歯に対する荷重は、島津精密万能試験機をて,義歯床右側第一大臼歯相当部を荷重点とし、咬合床咬合平面に対して垂直に50Nの静的荷重を与えた。その結果、同一の有床部形態、適合性を有する義歯であっても適用するアタッチメントにより荷重の欠損部顎堤、支台インプラントに対する分配は大きく異なった。すなわち,バーアタッチメントが最もインプラントに荷重を伝達し、義歯も安定した。インプラントへの荷重伝達は最大でも7%以下であった。
一方、マグネットアタッチメントでは、インプラントに生じる曲げモーメントは最小であるが、義歯の動きが最大であった。つぎに、ボールアタッチメントは垂直方向への荷重伝達が最も少なかった。バーアタッチメントと比較したときに変位に差は認められないが、回転では差が認められた。