2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯槽骨の代謝調節に影響を与える細胞環境の特異性を解明する
Project/Area Number |
13672046
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長岡 英一 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00028812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江尻 貞一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40160361)
川本 真一郎 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70295260)
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Keywords | RANKL / ODF / 歯根膜 / 神経 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
昨年度より引き続き、RANKL/ODF免疫陽性神経線維様構造物の同定のために2つの実験を行った。 <実験1>RANKL/ODF免疫陽性神経線維様構造物の微細構造の観察 RANKL/ODF免疫陽性の神経線維様構造物を形態学的に検索するため、電子顕微鏡を用いた観察をおこなった。 抗RANKL抗体を用いて抗原抗体反応を行ったラット歯根膜のパラフィン切片を樹脂包埋し、超薄切片を作製して超微細形態の観察を行った(pre-embedding法)。 その結果、抗RANKL/ODF抗体による反応生成物は細胞突起様の構造物の表面に局在しているのが観察され、細胞突起様構造物は神経線維と形態学的に類似していることが示唆された。 <実験2>RANKL/ODFと神経特異抗原との二重免疫染色による神経線維様構造物の同定 RANKL/ODF免疫陽性の神経線維様構造体の同定を行うため、神経特異抗原であるPGP9.5タンパクとの局在部位の関係を検索した。 12週齢のWistar系雄ラットを4%パラホルムアルデヒドにて灌流固定し、下顎骨を採取した。骨試料は10%EDTAにて脱灰した後、通法に従ってパラフィンに包埋した。矢状断に薄切した切片上で免疫組織化学反応を行い、臼歯部歯根膜について光学顕微鏡にて観察を行った。 抗RANKL/ODF抗体の免疫陽性反応は血管腔の周囲に多く認められ、抗PGP9.5抗体陽性の神経線維と近接した局在を示していた。また同観察部位でのRANKL/ODFの免疫組織化学の所見と比べると、RANKL/ODF免疫陽性の神経線維様構造体はPGP9.5陽性神経線維よりもより高い密度で存在していることが観察された。しかし、両タンパクの共局在性についてははっきりと認められなかった。 以上よりRANKL/ODF免疫陽性の構造体は、形態学的には神経線維と類似しているが、今回の実験では同定されるには至らなかった。
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