2003 Fiscal Year Annual Research Report
デンチャープラーク中の細菌に対するオゾン水の殺菌効果について
Project/Area Number |
13672047
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
有田 正博 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (50184289)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
福泉 隆喜 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (50275442)
|
Keywords | オゾン水 / Candida albicanse / 義歯洗浄 / アクリルレジン / デンチャープラークコントロール |
Research Abstract |
口腔衛生状態の低下は、う蝕や歯周病などの口腔内疾患のみならず、高齢者における誤嚥性肺炎などの呼吸器系の感染と密接に関連していることが報告されている。未曾有の超高齢者を向かえている我が国においては、高齢者の多くが、口腔内細菌が容易に繁殖しやすい義歯の使用者であり、口腔内疾患ならびに全身疾患を誘発しやすいことを考えると、適切なデンチャープラークコントロールを行うことが大切である。さらに、日常生活動作能力の低下している要介護高齢者や障害をもつ高齢者に対しては、より簡便で、短時間に確実な除菌ができる義歯の洗浄方法を確立する必要がある。一般に、デンチャープラークコントロールには、機械的洗浄と化学的洗浄が推奨され、様々な薬液や義歯洗浄剤による洗浄が報告されている。しかし薬液や義歯洗浄剤による浸漬滅菌は時間を要し、かつ内部に残留する可能性もある。また、義歯用ブラシによる機械的清掃は高齢者にとって難しい。オゾン水は強力な殺菌効果を有し、また一定の時間経過で最終的には元の水に戻ることから、中和、洗浄、清掃などの後処理の必要がなく、塩素系酸化剤のように残留する心配がない。そこで、本研究では、オゾン水の特性に注目し、様々な口腔内細菌に対するオゾン水の殺菌効果について検討した。特にデンチャープラークで問題になるCandida albicansをアクリルレジンプレートに付着させた状態で、オゾン水の殺菌・除菌効果を検討した。高濃度のオゾン水ほど有意な殺菌効果を示すものの、単純な浸漬では十分な効果が発揮できず、超音波洗浄を併用することによりアクリルレジンの除菌・殺菌を有効に行えること、さらにオゾン濃度の低下をさせないように配慮してオゾン水の持続供給が、オゾン水による義歯洗浄においては大切であることを明らかにした。
|