2003 Fiscal Year Annual Research Report
片側咀嚼時における前頭部と両側頭部の脳内血流の変化
Project/Area Number |
13672058
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
横山 正起 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (60312071)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 一郎 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (00277592)
志賀 博 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (50226114)
小林 義典 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (20095102)
|
Keywords | 咀嚼運動 / 主咀嚼側咀嚼時 / 非主咀嚼側咀嚼時 / 脳内血流 / 組織酸素モニタ |
Research Abstract |
健康な歯が多く残存している老年者は、良好な咀嚼機能を営み、そうでない人よりも健康であり、また良好な咀嚼動作が脳に刺激を与え、脳内血流が増加し、ボケ防止に繋がる可能性が示唆されている。本研究は、咀嚼と脳との関係、特に咀嚼運動と脳内血流との関係を明らかにする目的で、健常者の主咀嚼側咀嚼時と非主咀嚼側咀嚼時における側頭部の脳内血流の変化を分析した。 被験者は、全身および咀嚼系に臨床的な異常が認められない20歳代の健常者10名(男性5名、女性5名)を選択した。実験は、被験者に中等度の開閉口運動、舌運動(突出)、タッピング運動を行わせた。次いで、チューインガム1枚を1分間咀嚼させた時の咬筋筋活動を日本光電社製多用途計測装置RM-6000、また両側の側頭部の深部血流をバイオメディカルサイエンス社製組織酸素モニタPSA-IIINを用いて同時記録した。分析は、はじめに開閉口運動、舌運動、タッピング運動時の咬筋筋活動と側頭部の深部血流の変化を観察した。次いで咀嚼前(安静時)、咀嚼中、咀嚼終了1分後、2分後、3分後、4分後、5分後の側頭部深部血流の変化を調べた。さらに、側頭部深部血流の変化について、主咀嚼側咀嚼時と非主咀嚼側咀嚼時との間で比較した。 チューインガム咀嚼時の両側の側頭部の深部血流は、主咀嚼側咀嚼時、非主咀嚼側咀嚼時ともに増加したが、咀嚼後に減少し、咀嚼前の状態に回復する傾向が認められた。また、両側の側頭部の深部血流の増加は、主咀嚼側咀嚼時のほうが非主咀嚼側咀嚼時よりも大きく、咀嚼側間に有意差が認められた。これらの結果から、咀嚼により、脳が活性化されること、またそれは、主咀嚼側咀嚼時のほうが非主咀嚼側咀嚼時よりも強い可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)