義歯表面性状の違いによるデンチャープラーク付着の相違

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13672060
• Research Institution: Tsurumi University
• Principal Investigator: 石川 千恵子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (70176163)
• Keywords: カンジダ / 共焦点レーザー顕微鏡 / 原子間力顕微鏡

Research Abstract

義歯表面性状の相違による初期プラーク付着の相違
〔方法〕
日常臨床で頻繁に使用されている硬質裏装材(マイルドリベロン,トクソーリベース)で試料を作製し,研磨はエメリー紙#1000,#400,ラッピングフィルム5μの3種類とした.Candida albicans(ATCC18804)をろ過滅菌したヒト唾液でカンジダ密度を10^4と10^3CFU/mlに調節した被験液を試料片上に100μl滴下し,フィルムを密着させ保湿箱で30℃・3日間保った.付着カンジダ数測定は試料片を水洗しSCDLP培地で洗い出し,カンジダGE培地で2日間培養しCFUとして測定した.蛍光観察には試料を固定後,0.01%エオジンで染色し共焦点レーザー走査顕微鏡で観察を行った.硬質裏装材表面の性状観察は,原子間力顕微鏡(SPM-9500)で行った.
〔結果〕
表面研磨の違いによるカンジダ付着の相違はコロニー数をCFUとして比較した.5μ研磨の試料ではカンジダは全く検出されず,#1000,#400研磨の試料との間に有意差が見られた.共焦点レーザー走査顕微鏡による観察では#1000,#400研磨の試料でかなりのカンジダ付着が観察され,酵母型と菌糸型のカンジダが混在していた.しかし5μ研磨の試料では全くカンジダ付着が観察されなかった.
原子間力顕微鏡による観察では,#1000と5μ研磨表面性状に差が見られた.#400研磨の試料では表面が粗すぎ測定不可能であった.
以上の実験結果から義歯表面性状が滑沢なほど,カンジダ付着が有意に少なくなることが示唆された.