2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672061
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
高山 慈子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (30175939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 英司 鶴見大学, 歯学部, 助手 (20157423)
平野 進 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00089400)
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Keywords | 金銀パラジウム合金 / 口腔微生物 / 変色 / チタン / SPM / ESCA |
Research Abstract |
1.金銀パラジウム合金の変色と口腔微生物(F. nucleatum, S. mutans), VSC産生量との関連を明確にすることを目的とし,in vitroにおいて研究を行い,以下の結論を得た. 1)金銀パラジウム合金は,VSC産生量の多いF. nucleatum培養環境下で輝度,色差ΔE^*abともに大きな変化を示した. 2)金銀パラジウム合金は,口腔微生物のない状態S. mutans培養環境下でも色調変化が認められ,L-Cysteineを添加すると顕著となった. 3)チタン,コバルトクロム合金,白金加金は口腔微生物培養環境下で輝度の低下が認められたが,その変化は金銀パラジウム合金より小さかった. 4)EPMAによる定性分析の結果,金銀パラジウム合金試料では全条件で硫黄(S)が検出された. 本研究によりCH_3SHならびにH_2S産生量が金銀パラジウム合金の変色と大きく関連していることを,in vitroで検証することができた.VSCを多量に産生するF. nucleatumは歯周病や口臭の原因菌として注目されており,金銀パラジウム合金の変色や腐食は,歯周疾患や口臭,口腔清掃状態などの総合的な口腔内環境と深い関わりがあることが判明した. 2.チタンの表面性状を明らかにすることを目的とし,走査形プローブ顕微鏡(以下SPM)およびエックス線光電子分光装置(以下ESCA)を用いて観察を行うとともに,その表面や付着物の組成を検討した.SPMによる観察では,口腔内からの撤去試料には無数の傷が確認され,球状の付着物が確認された.ESCAでは,Tiは検出されず,口腔内でチタンの上にO, N, C, Sで構成する膜が形成されたことを示唆するものと考えられた.
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