2001 Fiscal Year Annual Research Report
温熱化学併用療法のリンパ節転移抑制効果に関する研究
Project/Area Number |
13672084
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
星名 秀行 新潟大学, 歯学部・附属病院, 講師 (30173587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60271805)
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Keywords | 温熱療法 / 転移 / 頸部リンパ節転移 / RF誘電型加温 / ハムスター / 頬粘膜癌 / 扁平上皮癌 / 病理組織学的研究 |
Research Abstract |
目的:頬粘膜癌転移モデル(0-1N)に対し、RF加温の追加実験を行い、温熱療法の頸部リンパ節転移抑制効果について、統計学的に解析した。 対象および方法:担癌(0-1N)ハムスターを使用し、まず、2mm角の腫瘍組織片をハムスターの頬粘膜下に移植後、約3週間経過し、長径約6mmに達した類円形の腫瘍を、原発巣として実験対象とした。加温は新たに購入したRF誘電型加温システムを用い、腫瘍を挟み、43℃40分加温を2回行った。実験後、頚部リンパ節および原発巣について、経日的に病理組織学的検索を行った。リンパ節転移の有無、その数、転移腫瘍の組織学的進展度を検討し、無処置群、Sham実験群(温度センサー刺入のみ)と比較検討した。新たに購入したPCシステムを用い、全実験群について、単変量解析(T検定)、多変量解析(多重ロジステイック検定)を行った。 結果・考察:本実験システムでは、誤動作することなく、腫瘍を43℃一定に加温することが可能であった。温熱群の転移率は36.4%(8/22匹)であり、無処置群65.0%(13/20匹)、Sham実験群68.5%(13/19匹)に比較し、有意に低値を示した(P=0.02)。リンパ節内の腫瘍進展度は、温熱群では全例がリンパ節内に留まるタイプであったのに対し、無処置1群、Sham群では節外型がみられ、温熱群における転移様相の遅延が認められた。多変量解析の結果、温熱療法は転移の抑制に有意に相関する因子であった(P=0.02)。 なお、化学療法については、TXT(ドセタキセル)は温熱併用による抗腫瘍効果の増強がみられなかったというin vitroの論文もみられ、薬剤の種類を含め、現在、検討中である。
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Research Products
(2 results)