2003 Fiscal Year Annual Research Report
温熱化学併用療法のリンパ節転移抑制効果に関する研究
Project/Area Number |
13672084
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 克弘 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (90334672)
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Keywords | 温熱療法 / 温熱化学療法 / ドセタキセル / 抗腫瘍効果 / リンパ節転移 / 口腔癌 / 扁平上皮癌 / 病理組織学的研究 |
Research Abstract |
目的 新規抗癌剤ドセタキセル(TXT)を用い、温熱化学(TXT)療法の抗腫瘍効果、および頸部リンパ節転移抑制効果について検討した。 実験材料および方法 頬粘膜癌転移モデル(O-1N,扁平上皮癌)を用い、温熱群、化学(TXT)群、温熱化学群、無処置群の4群を設定した。加温は13.56MHzのRF誘電型加温装置を用い、頬粘膜腫瘍(長径7mm)に対し、43℃、40分加温を3日間隔で2回施行した。TXTは10mg/kgを各加温直前に腹腔内投与した。実験後、隔日で腫瘍の大きさを計測し、21日、28日に原発巣および頸部リンパ節を摘出、病理組織学的に検討した。転移リンパ節における腫瘍進展度を新垣の分類に従い分類した。 結果および考察 腫瘍増大曲線では、無処置群で指数関数的に増大したのに比し、化学群では腫瘍増大抑制、温熱群、温熱化学群では腫瘍縮小効果が認められた。腫瘍が消失したものは化学群では皆無であっが、温熱群では3/16匹(18.5%)、温熱化学群で11/15匹(73.3%)と高値を示し、温熱化学群において著明な抗腫瘍効果が認められた。各群における転移率は、無処置群は8/9匹(88.9%)に対し、化学群は8/19匹(42.1%)、温熱群では1/16匹(6.3%)、温熱化学群では2/15匹(13・3%)と低値を示し、温熱群、温熱化学群において、リンパ節転移抑制効果が認められた。また、21日切除では無処置群、化学群で転移が認められたが、温熱群と温熱化学群では転移は認められず、28日切除では各群の転移例における腫瘍進展度は辺縁洞型・髄洞型、全体型で全てリンパ節内にとどまる転移所見であった。以上、本研究でin vivoにおけるTXTの温熱増強作用が示唆された。温熱化学療法および温熱療法はリンパ節転移を明らかに抑制した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 星名秀行, 他: "進行・再発頭頚部癌の温熱化学放射線療法-背景因子からみた治療成績-"頭頸部腫瘍学会雑誌. 27・1. 181-186 (2001)
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[Publications] 星名秀行, 他: "進行頭頚部癌に対する温熱化学放射線療法の治療成績"癌と化学療法. 28・3. 991-996 (2001)
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[Publications] 林孝文, 他: "T1・T2舌癌の口腔内超音波所見と頸部リンパ節転移との関係"口腔腫瘍. 13・3. 75-79 (2001)
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[Publications] Nagashima K, et al.: "Effect of local hyperthermia on metastases in oral squamous cell carcinoma"Int.J.Oral Maxillofac.Surg.. 31. 84-89 (2002)
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[Publications] Nagata M, et al., Hoshina H.: "Identification of potential biomarkers of lymph node metastasis in oral squamous cell carcinoma by cDNA microarray analysis"Int.J.Cancer. 106・5. 683-689 (2003)
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[Publications] Hayashi T, et al.: "The clinical significance of follow-up sonography in the detection of cervical lymph node metastases in patients with stage I or II squamous cell"Oral Surg.Oral Med.Oral Pathol.Oral Radiol.Endod.. 96・1. 112-117 (2003)