2003 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ支援による顎顔面手術の統合的三次元シミュレーション
Project/Area Number |
13672089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安田 真也 京都大学, 医学研究科, 助手 (50263075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和也 京都大学, 医学研究科, 助手 (90263087)
山村 功 京都大学, 医学研究科, 助手 (90332733)
高橋 克 京都大学, 医学研究科, 助手 (90314202)
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Keywords | コンピュータ / 顎顔面手術 / 三次元シミュレーション |
Research Abstract |
顔面骨手術に際して、三次元実態モデルを用いた術前手術予測あるいは術式検討を行うことで、virtual realityと呼べる手術シミュレーションが可能となった。しかし、三次元実態モデルを用いた検討における問題点は、作製価格が高い、作製までに長時間を要する、作製材質によっては骨より硬く骨切りなどのシミュレーション操作が困難などの欠点が上げられる。最近、市販パソコンおよび患者の顔面骨CTデータを用いて、顔面骨の三次元構築が可能となるソフトが開発された。これを用いると、任意の部位において骨の三次元的な切断・移動が可能で、手術シミュレーションが画面上で容易に操作できる。今回、実際の顎顔面手術における術前シミュレーションにこの方法を用いて、その有用性あるいは信頼性について検討した。前年度に引き続き、病的骨折を生じた重症放射線性下顎骨骨髄炎症例で検討した。 術前にCT撮影し、DICOMデータを用いてコンピュータ上で三次元的に再現し、適切な切除範囲について検討した。下顎骨骨髄炎の罹患範囲を正確に診断することは困難で、実際の手術所見から臨床的に判断せざるを得ないところであるが、今回のシミュレーションでは、任意の部位・方向で下顎骨の断面を容易に再構築、再現できるので、術前に罹患範囲の推定に有用であった。今回の症例では病的骨折周囲の硬化性骨髄炎様あるいは腐骨と思われる範囲は小さく、再建腸骨に見合う術前の推定切断予定部で下顎を離断したが、離断面の状態は再現されたCT像と酷似していた。術後機能および形態を考慮した手術術式決定に今回の検討は有用であった。
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