2002 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜難治性疾患の発症機序に関する研究:スーパーオキサイドとサイトカインの検討
Project/Area Number |
13672092
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
成相 義樹 島根医科大学, 医学部, 助手 (60333465)
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Keywords | 口腔粘膜難治性疾患 / 口腔扁平苔癬 / スーパーオキサイド / ビスコクラウリン型アルカロイド |
Research Abstract |
われわれは,平成10年度より各種口腔粘膜疾患,主として口腔扁平苔癬患者にビスコクラウリン型アルカロイド(BA,セファランチン【○!R】)長期間投与し,末梢血好中球のO_2^-産生能ならびにそれに関与する血漿中各種サイトカイン,特に好中球造血において最も重要な因子であると考えられるG-CSF, IL-1α,IL-1β,IL-6,TNF-αの臨床経過にともなう変動を検討してきた。前年度,口腔扁平苔癬患者のBA投与による臨床症状改善時には,血漿中TNF-α,IL-1βの低下傾向(それぞれP=0.12,P=0.09)が観察され,口腔扁平苔癬の発症過程において末梢血好中球のO_2^-過剰産生だけでなくTNF-α,IL-1βなどのある種の血漿中サイトカインの関与の可能性が示唆された。そこで本年度は生検材料における各種サイトカインの免疫染色を行いBA投与による臨床経過との関連を検討し以下の知見を得た。 1.TNF-α,IFN-γ,IL-1βの免疫染色を行い,染色率はそれぞれ,56.7%,73.3%,43.3%であった。 2.各サイトカイン間において,明らかな染色性の関連は認められなかった。 3.網状型の扁平苔癬に比較し,糜爛・萎縮型の扁平苔癬でIFN-γの染色率が高い傾向にあった。 4.IL-1β陽性症例でBA有効例が多く,統計学的に関連性が認められた(Fisherの直接法P=0.049)。 これらの知見により,口腔扁平苔癬の発症過程,BAの作用機序において血漿中サイトカインの関与の可能性が示唆された。
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