2001 Fiscal Year Annual Research Report
金属アレルギーの病因究明に関する基礎的研究-PIXE法を応用した金属修復物装着患者組織の微量元素分析-
Project/Area Number |
13672117
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石橋 修 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10295991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世良 耕一郎 岩手医科大学, サイクロトロンセンター, 助教授 (00230855)
杉山 芳樹 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (00162909)
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Keywords | 口腔粘膜 / 微量元素分析 / 金属アレルギー / 歯科用合金 / 粒子励起X線分光法 |
Research Abstract |
1.研究目的 口腔粘膜疾患のなかには、口唇炎、口内炎、舌炎、口腔扁平苔癬、掌蹠膿疱症など、金属元素との関連性が惟祭されている疾患がある。これらは外来からのさまざまな元素や歯科用合金からの溶出元素が、何らかのかたちで口腔粘膜に取り込まれ、生体内タンパク質と結合し抗原性を示すものと考えられている。しかし、多くの口腔粘膜疾患は、原因が不明のため対処療法に甘んじているのが現状である。 本研究は、健常者を金属修復物に用いられている歯科用合金の装着群と非装着群に分類し、頬粘膜における歯科用合金(Hg, Cu, Au, Sn, Pt, Mn, Zn, Ni, Pd, Co, Cr, Cd)と同様の元素について含有濃度を測定し、比較検討するものである。 2.対象および方法 (1)対象および試料採取 口腔粘膜疾患を有しない患者を対象に下顎智歯の抜歯や手術など、頬粘膜に切開が必要な患者に本研究の目的と内容を説明し同意を得たうえで、切開線部の一部から粘膜を採取する。 (2)元素分析のための試料作製 採取した試料は、付着している血液の除去と細胞の浸透圧を一定に保つために、生理食塩水中で撹拌、洗浄後・ホットプレートにて乾燥試料とする。次に、硝酸灰化法にて乾燥試料から液体試料の作製を行う。液体試料をクリーンベンチ内でポリプロピレンフィルムに滴下し、自然乾燥後測定用のターゲットとする。 (3)元素分析 小型サイクロトロンを用いた粒子励起X線分光法(Particle Induced X-Ray Emission : PIXE)にて各元素の検出を行う。定量には、パーソナルコンピューター(Spectrum-Analysis Program for PIXE : SAPIX)を用いて、それぞれの分析結果について比較検討を行う。 3.結果 現在、試料の採取を行っており、集まった検体について順次測定を行っている。今後は、さらに試料の採取を行い、より多くの検体についてのデータ解析をしたうえで、各元素について比較検討する予定である。
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