2002 Fiscal Year Annual Research Report
機械的刺激伝達系における低分子量GTP結合タンパク質の役割に関する研究
Project/Area Number |
13672138
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
五十嵐 薫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70202851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 修一 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (60271954)
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 助教授 (20272693)
三谷 英夫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014220)
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Keywords | 低分子量GTP結合タンパク質 / 機械的刺激 / 骨 / 骨形成 / 骨芽細胞 / 国際研究者交流 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
機械的刺激は骨の恒常性の維持にとって不可欠な因子であり、骨形成に到る機械的刺激のシグナル伝達経路を解明することは重要な課題である。本研究の目的は、機械的刺激のシグナル伝達機構における低分子量GTP結合タンパク質、特に細胞形態を制御しているとされるRhoやRacの役割について明らかにすることである。本年度は、前年度に使用した微小負荷試験機の改良型の作製に取り組むとともに、周期的伸展刺激装置を用いた細胞レベルでの実験の条件設定を行つた。 1.改良型微小負荷試験機の作製 従来型では負荷を与えた骨の変形に対応するためにマニュアルで過重を調整していたが、新型には自動的に過重を調整する機能を追加した。この結果、骨が変形しても一定の負荷を与えることができるようになった。 2.周期的伸展刺激装置を用いた実験 骨芽細胞としてヒト骨芽細胞様細胞株MG-63を用い、フレクサーセルユニットにより周期的伸展力を負荷した。フレクサーセルユニットを用いて細胞に伸展力を加える場合、ウェルの部位により条件が異なるため、細胞を全面に播種してしまうと結果の解釈が困難となる。そこで、細胞をスポット状に撒くことにし、その条件出しを行った。細胞の反応は、細胞形態の変化とNO産生量により評価した。その結果、すべての条件において、負荷をかけた細胞のNO産生量はコントロールのそれよりも増加していた。全面に撒いたものよりも、スポット状に撒いたものの方がNO産生量が多かった。スポット状に撒いたものの中では8カ所よりも4カ所の方が負荷の効果が顕著であった。以上の結果から、今後の実験では細胞を4カ所にスポット状に播種することにした。
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