2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672146
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川上 正良 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20244717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 健治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50127247)
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Keywords | chick / 前頭鼻突起 / embryo / limb bud / 組織パターン / 顔面骨格 / 軟骨形成 / 発生生物学 |
Research Abstract |
顎顔面骨格は複雑な構造からなり、その発生機序も複雑で形態形成に至る過程もいまだ不明の点が多い。本研究では、顔面中央部の鼻、口唇を形成する前頭鼻突起について、その組織の部位特異性について検討した。 ニワトリ胚をインキュベーター(ST型、増田理化)でインキュベートし、stage 21の前頭鼻突起を摘出した。実体顕微鏡(Leika NZ7-5)下で前頭鼻突起を中央部と側方部に分割し、それぞれを細胞単位まで分散させた。培養後、細胞を集め、ニワトリ胚のLimb budに移植して、各部細胞の分化様相について観察した。移植後6日目に、Limb budを摘出し、Alcian Blue染色もしくはDiI, DiOを用いた蛍光組織標本を作成した。組織学的データはデジタルカメラ(Leika DC-150およびDCF3-PRO)で記録し、パーソナルコンピュータ(VAIO PCG-GR9F/P)を用いて画像処理した。その結果、側方部の細胞移植片からは、枝分かれした軟骨が形成されたのに対し、中央部からは直線状の軟骨が形成され、一部には孵化直前に嘴先端に見られるegg toothが認められた。両者を同率で混合すると2〜3に枝分かれした軟骨が形成された。前頭鼻突起中央部には軟骨形成細胞に分化する前駆細胞を多く含み、側方部にいくにしたがってそれらの割合が減少していることが考えられ、これらの細胞分布の違いによって顔面中央部の形態形成が制御されていることが示唆された。しかも、これら軟骨形成は、移植片と前頭鼻突起あるいは下顎突起上皮の存在下でのみ起こり、上皮非存在下では軟骨形成が起こらなかった。したがって、前頭鼻突起は、形態形成に顔面突起上皮を必要とし、上皮一間葉系の相互作用が関与していることが示唆された。 以上の結果は、International Association of Dental Research(IADR) 79^<th> General Session & Exhibition (June 27-30,2001))で発表した。
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[Publications] Kawakami M, Richman JM: "Local patterning with chicken frontonasal mass"Journal of Dental Research. 80(Special Issue). 634 (2001)
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[Publications] Lee SH, Fu KK, Hui JN, Richman JM: "Noggin and retinoic acid transform the identity avian facial prominences"Nature. 414(6866). 909-912 (2001)
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[Publications] Hyomoto M, Kawakami N, Hanamoto S, Kirita T: "A clinicopathologic study of 184 dentigerous cysts"Journal of Nara Medical Association. 52(5). 181-187 (2001)
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[Publications] 俵本眞光, 川上正良, 華本真悟, 桐田忠昭: "含歯性襄胞における関連埋伏歯とその萌出に関する研究"奈良医学雑誌. 52(6). 229-235 (2001)
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[Publications] Kawakami M, Yagi T, Takada K: "Maxillary expansion and protraction in correction of a midface retrusion in a complete unilateral cleft lip and palate"Angle Orthodontist. (in press). (2002)