2001 Fiscal Year Annual Research Report
医療施設での空気感染に対する実践的な感染対策に関する研究
Project/Area Number |
13672170
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
須山 祐之 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10163065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 偕夫 日本大学, 大学院・生産工学・研究科・電気工学専攻, 講師 (30059878)
山田 裕司 独立行政法人放射線医学総合研究所, 内部被ばく, 主任研究官 (20166739)
高久 悟 埼玉県立大学, 短期大学部, 教授 (80154764)
池脇 信直 九州保健福祉大学, 保健学部, 助教授 (90193226)
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Keywords | 院内感染 / 室内環境汚染 / 空中浮遊菌 / 病院管理 / 空気清浄 / 感染対策 |
Research Abstract |
本研究では,歯科医院、一般病院、老人病院などにおける各病院の医療関係者および外来と入院の各患者から,うがい後の吐出液を採取し,DANプローブ法,PCR法により結核菌の検出を行う為、事前に病院内の室内環境、特に院内感染のリスクを検討する必要があった.そこ本学の日常の歯科臨床において歯科麻酔学,口腔外科学,歯科補綴学,歯科矯正学,小児歯科学,歯科保存学および眼科の各診療室さらに技工室等の空気環境測定を実施した。また空気清浄器を使用し、各作業状況(歯牙切削時、スケーリングなど)における浮遊粉塵の推移とそれに伴う空中浮遊菌の存在状態の時間的な変動を測定し、院内感染対策仕様空気清浄器使用前の歯科診療室内環境状態と比較することにより、その効果を判定した。各医療施設内の空気清浄度の評価は,日本病院設備協会の病院空調設備の設計・管理指針(HEAS-02-1998)に従い,一般的な環境汚染検査を実施し,基準値との比較検討した.なお空中浮遊菌の測定は従来法である微生物アンダーセンサンプラー(日本カノマックス社)およびバイオオートサンプラーBAS-1(クリーンテクノサービス社)により小川培地を用いて結核菌を捕集する.本報告では殺菌機能および臭気物質の吸着に優れた白炭(800℃以上で焼成した活性炭)を本装置に組み込むことで,歯科臨床に適した形態の空気清浄装置の開発をした.今回の報告では、歯科診療室内における電気集塵式空気清浄装置による除塵効果は、装置稼働後約30分で、減少が観られ、0.5μm以上の粒子の減少が明かであった.また、空中浮遊菌は若干減少の傾向はみられた.特に糸状菌に対する殺菌効果は著明であった.モデル実験での殺菌効果試験はFULLOINの有無による違いは殆ど無かった.しかし、アンモニアガスの脱臭については約1/3に減少した.このことから除塵効果では,昨年報告した水平流式パーティション型空気清浄装置の効果に比べて低い傾向であった.空中浮遊菌の殺菌効果については,糸状菌,グラム陽性球菌,グラム陽性幹菌に効果が伺えるが,その特異性については,今後追究する必要がある.モデル実験でのアンモニアガスに対する脱臭効果は箸明であったが.FULLOINの表面積が大きくなる様に改良することにより、さらに機能が向上すると考えられた.以上の事から、日常の歯科臨床で院内感染対策用に電気集塵式の空気清浄器を応用し、歯科診療室内における浮遊粉塵の減少ならびに、臭気物質を活性炭に吸着させる事で有害なガス体を低減させる機能が向上することが考えられた。
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Research Products
(1 results)