2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しい電解酸化水のう蝕予防に関する実験的・臨床的研究
Project/Area Number |
13672174
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
中村 康則 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (20095201)
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Keywords | 電解酸化水 / う蝕実験 / ラット / S. sobrinus / う蝕誘発性飼料 / プラーク形成抑制効果 / う蝕抑制効果 |
Research Abstract |
抗菌作用を有する新開発の弱酸性電解酸化水(EOW)がう蝕の予防に有用であるか否かを検討する目的で、う蝕誘発性飼料で飼育するS. sobrinus6715株接種ラットに、EOW(EOW群)または水道水(Cont.群)をそれぞれ飲料水として54日間給与するう蝕実験を行い、両群におけるプラーク付着量とう蝕罹患度を比較した。 1.Swab法により経日的に検査したS.sobrinus菌の歯面付着度は、Cont.群に比べEOW群では試験中期および後期のいずれの時期においても約1/3と少なかった。 2.試験最終日に屠殺し、解離した上下顎をRED-COTE^<【○!R】>染色して調べたプラーク付着量は、咬合、頬側および舌側の各歯面のいずれにおいてもCont.群よりEOW群が少なかった。 3.プラーク検査を終えた上下顎をムレキシド染色し、Keyes法により検査したう蝕罹患度は、平滑面、隣接面および裂溝部の各部位のいずれにおいてもCont.群よりEOW群が低頻度であり、また、これらの各部位の罹患度を総和して臼歯全体でみると、Cont.群のう蝕発生に対し、EOW群では約50%のう蝕抑制が認められた。 4.ラット1匹当たりの1日平均飲水量は、Cont.群で24.2ml、EOW群では25.8mlであり、EOWを違和感なく摂取していた。EOW群のラットではCont.群と同様、外観観察、行動、体重増加の推移、さらに剖検等において異常は認められなかったので、本実験条件下ではEOWの経口毒性はないものと思われた。 以上の成績から、EOWはう蝕病原菌の歯面付着を少なくしてプラーク形成を抑制することにより抗う蝕効果を発揮したものと推察され、う蝕予防効果が期待できる洗口剤などとしての利用の可能性が考えられた。 15年度は、ヒトに対するEOWの洗口試験を行い、唾液中細菌量やプラーク付着量等について調べる。
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