Research Abstract |
1.Er : YAGレーザー照射歯根面象牙質に対する歯周組織の付着状態の組織学的検索 レーザー照射歯根象牙質に対する歯周組織の付着状態について,照射面に良好な歯周組織の付着が得られるか,あるいは付加的な処置が必要になるかどうかについて,従来の機械的処置と比較して検索を行った.ビーグル犬4頭を用い,臼歯の歯肉を剥離し,各近心歯根のそれぞれの頬側の歯槽骨を削除し,裂開型の露出歯根面を作製した.セメント質を手用キュレットにて削除し象牙質を露出後,1)注水下でのEr : YAGレーザー照射根面,2)照射後にテトラサイクリン処理を追加した根面,3)照射後にキュレットにより表層を除去した根面,4)未処置根面(コントロール)の4群を設定し,各処理を行った.処置後歯肉弁を復位縫合した.術後12週に屠殺の時点では,肉眼的に歯肉の治癒状況は良好で,各処置群に明かな差は認められなかった.現在,組織標本を作成中であり,今後,上皮付着,結合織線維の付着,セメント質の形成状態について観察し,さらに,結合織性付着量,歯槽骨・セメント質形成量について組織計測を行い,定量的に評価を行う予定である. 2.Er : YAGレーザー照射による骨組織蒸散後の骨再生の過程の検索 ラットの頭頂骨を用い,本レーザーにより作製した骨欠損部とバーにより作製した骨欠損部の新生骨による修復状態について,術後・2週までの新生骨の形成の様相を透過電子顕微鏡にて観察したところ,レーザー処置においてより創傷治癒が早く良好である所見が認められた.また,術後2週,4週,8週の状態について組織標本作成中であり,骨再生について定量的に検索する予定である. 3.歯肉メラニン除去術へのEr : YAGレーサーの臨床応用 歯周外科処置の一つである歯肉メラニン除去希望の患者に対して,同意を得て本レーザーの臨床応用を行ったところ,良好な色調改善と治癒経過が得られた.現在,再発など術後長期経過について検討中である.
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