2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13672234
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮岡 宏明 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (10231622)
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Keywords | 合成 / kalihinol A / elisapterosin B / 海洋天然物 / Diels-Alder反応 / Dieckmann反応 / elisabethin C |
Research Abstract |
1.Kalihinol Aの合成研究 昨年度までに、endo選択的な分子内Diels-Alder反応を用いたcis-デカリンの合成を行っている。まず、cis-デカリンを塩基処理することにより1位を異性化しtrans-デカリンを得ようと試みたが、目的とするtrans-デカリンはわずかしか得られなかった(trans-デカリン:cis-デカリン=1:6)。そこで、cis-デカリンの4位オレフィンのエポキシ化を行った後、塩基による1位の異性化を行ったが、trans-デカリンへの異性化はほとんど進行しなかった。次に5位へアジドを導入した化合物に対して、メタノール中炭酸カリウムを作用させたところ、1位の異性化が進行し、trans-デカリンが主生成物として得られた。さらに、10位をメチル化することにより、kalihinol Aの全炭素を備えた化合物を合成することができた。 2.Elisapterosin Bの合成研究 昨年度までに、(+)-carvoneからDieckmann反応を用いた方法により、elisabethin Cの全合成を達成している。今年度は、elisabethin Cの合成中間体であるビシクロ[4.3.0]ノナン誘導体よりelisapterosin Bの合成を検討した。ビシクロ[4.3.0]ノナン誘導体の17位にヒドロホウ素化反応により酸素官能基を導入し、Wittig反応、アルキルリチウムにより炭素鎖の増炭を行い、ケトエステルを合成した。このケトエステルにLHMDSを作用させたところ、15-16位間での環化反応が進行し、三環性化合物が得られた。この化合物は、elisapterosin Bの全炭素を備えた化合物であり、10位、15位間で環化を行うことにより、elisapterosin Bの合成が可能な化合物である。
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